2011 Fiscal Year Annual Research Report
無水銀光源の高効率化に向けた量子分割型蛍光体材料の開発
Project/Area Number |
22360038
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
神野 雅文 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30274335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 英樹 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80332831)
上村 明 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40274336)
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Keywords | プラズマ / 高効率光源 / 蛍光体 / 量子分割 / 真空紫外励起 |
Research Abstract |
本研究は、原理的に高い発光効率が期待できる量子分割蛍光体を開発し、希ガス放電を用いた無水銀光源の発光効率を向上させることを目的としている。今年度は、Pr^<3+>付活蛍光体について、(a)量子分割効果が得られ、かつ高い量子効率が得られるように、母体材料や焼成温度、雰囲気ガスおよびガス圧等の作成条件を変化させて試作すること、(b)試作した蛍光体について、真空紫外線励起蛍光の発光特性の評価を行うことと、(c)蛍光体の薄膜化・微粒子化による発光効率の向上と発光スペクトルの制御を目的として、焼成した蛍光体をターゲットとしたレーザアブレーションを行い、レーザ光強度や照射時間等の作成条件の最適化を行うこと、を計画していた。これについて、赤外線集光加熱炉を用いて効率的に試料を加熱し結晶化を促進することにより、低温かつ短い焼成時間でも昨年度と同等の量子効率を持つ蛍光体を合成できることを見出した。加えて、融剤を用いることで結晶化をさらに促進することができた。また、当初の予定とは別に、同じ原料でも焼成条件を変えることで、260nm付近の蛍光を強められることがわかった。これは、殺菌等に利用されている低圧水銀ランプの紫外線が放射する、254nmの紫外線の代替放射として利用できる可能性がある。レーザアブレーションによる蛍光体の微粒子化については、作成条件の最適化と蛍光スペクトルの制御には達していないが、市販蛍光体を試料として薄膜化を行い、薄膜化により蛍光スペクトルが変化することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
量子分割蛍光体の焼成に関し、結晶化を促進する焼成条件を見出すことができており、今後の量子効率の向上につなげることができる。これについては当初の予定通り順調に進展している。レーザアブレーションによる薄膜化については若干遅れが出ているが、代わりに紫外放射を強めるための焼成条件を見出しており、新たな展開につなげることができるため、総合的に見て順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果として、焼成温度を現実的な値まで下げることができたので、今後は、焼成雰囲気と融剤の最適化を行い、さらなる結晶化の促進を行い、量子効率の向上を図ることで、市販蛍光体に匹敵する量子効率実現を目指す。また、共付活剤等により蛍光スペクトルを制御し、視感度の高い波長の蛍光強度を高め、発光効率の向上も目指す。逆に、紫外域の蛍光を得ることで、水銀に代わる紫外線源として応用できるかも検討する。
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