Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 淳 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00224668)
齋藤 歩 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20400533)
伊東 拓 成蹊大学, 理工学部, 助教 (80433853)
多田野 寛人 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教 (50507845)
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Research Abstract |
よく知られているように,有限要素法/境界要素法コードを実行する際には,予め対象領域を要素分割する必要がある.この問題を解決するために,様々なメッシュレス法が提案されてきたが,メッシュレス法自体も基本境界条件の実装方法に問題をはらんでいる.即ち,メッシュレス法によって,基本境界条件の実装方法が異なっている.例えば,Element-Free Galerkin(EFG)法とMeshless Local Petrov-Galerkin(MLPG)法では,それぞれ,Lagrangeの未定乗数法とペナルティ法によって基本境界条件を弱形式に取り込んでいる.それ故,節点上で基本境界条件が厳密に満足されている訳ではない. 本年度は,基本境界条件の新たな実装法を提案することにより,選点法型メッシュレス法を開発した.さらに,数値実験を用いて,同法を従来型メッシュレス法と比較することによって,次のような結論を得た. 1.重み関数のサポート半径の増加と共に,選点法型メッシュレス法の精度は改善される. 2.選点法型メッシュレス法は従来型メッシュレス法よりも,精度の観点から,著しく優れている. 選点法型メッシュレス法では,基本境界条件を含む全境界条件が選点法で離散化される.それ故,境界節点上では,選点法型メッシュレス法は誤差を含まない.しかしながら,基本境界条件以外の条件も選点法表示するため,離散化の結果として得られる連立1次方程式の係数行列は非対称となる.この事実こそが選点法型メッシュレス法の計算時間を増加させる原因なのである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
完全メッシュレス法を3次元構造解析に応用するのは,まだ,達成していないが,時間領域メッシュレス法を電磁波伝搬問題に適用することには成功している.この意味では,広い意味でのメッシュレス法を工学的に実証できたと言える.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究の結果,完全メッシュレス法を含む全てのメッシュレス法の精度に最も大きな影響を与えるのは,形状関数に付随するサポート領域の積集合上での数値積分の精度であることが判明した.また,選点法型メッシュレス法のスピードは,非対称係数行列をもつ連立1次方程式の数値解法によって決まることも分かった.この意味から,今後,以下の2点の研究も重点的に進めてゆく. 1)サポート領域の積集合上での積分を高精度かつ高速に実現する手法を開発する. 2)選点法型メッシュレス法によって得られる連立1次方程式の高速数値解法を検討する.
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