2012 Fiscal Year Annual Research Report
高強度非球面金型の超精密切削を可能にするためのナノ粒子潤滑揺動切削法
Project/Area Number |
22360055
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
閻 紀旺 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40323042)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 超精密切削 / 金型加工 / ナノ粒子潤滑 / 硬脆材料 / 光学部品 |
Research Abstract |
非球面ガラス光学素子のプレス成形において,超硬合金(WC)や炭化珪素(SiC)などの高強度金型材料が必要不可欠である.本研究は従来不可能とされてきた高強度金型材料の超精密切削加工を可能にすることを目的として行われた.これを達成するために,加工機のB軸回転テーブルを用いてダイヤモンドRバイトを揺動させ,切削点が切れ刃円弧上で常に移動する切削方法(以下“揺動切削法”と記す)を提案する.これにより,切削温度の上昇を抑制し,バイト摩耗を低減させる.また,切削油剤として,高粘性・高付着力のグリースに金属ナノ粒子を混入させてバイト表面へ塗布することにより,切削のときに発生する微小衝撃を緩和させ,切れ刃のマイクロチッピングを完全に防ぐ.最終的に,切削加工のみで表面粗さ30nmRy以下の超精密加工を実現するとともに,切削油剤による環境負荷を大幅に低減させる. 平成24年度では,これまでのナノ粒子複合潤滑による揺動切削の研究成果を踏まえて,非球面などの曲面加工への応用を目的として研究を推進した。具体的には下記の諸項目について研究を行った.(1)ナノ粒子複合潤滑による揺動切削法をガラス非球面レンズプレス成形用金型の切削加工へ応用し,バイト摩耗低減および加工精度向上への効果を確認した.また,実用化に向けての問題点として、工具中心合わせが重要であることとその実施方法を見出した.(2)有限要素法による切削領域の温度分布シミュレーションを行い,揺動切削におけるダイヤモンドバイトの摩耗低減機構を解明した.以上の成果は超硬合金や炭化珪素などの高強度金型材料の超精密切削加工技術に発展に有意義な知見を与えるものと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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