2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヤモリに学ぶ静電誘導ファイバー植毛による凝着・離脱デバイス
Project/Area Number |
22360102
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 滋規 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30313349)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鞠谷 雄士 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (70153046)
高橋 邦夫 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (70226827)
|
Keywords | 高分子繊維 / 生体模倣 / 静電チャック / 導電性芯 / 静電力 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,ヤモリの指先における微細構造にヒントを得て,操作者が自由自在に対象物(導体あるいは誘電体)を凝着(把持)・離脱することを可能にする凝着・離脱デバイスを創製することにある.具体的には,導電性の芯を持つ高分子繊維(静電誘導ファイバー)をヤモリの指先に存在するセタ(seta)と呼ばれる微細毛と同じ形態で植毛し,静電力を効率良く作用させる.最終目的は,デバイス開発に止まらず,「工業部品のグリッパレスのハンドリング技術」に適用可能なように汎用的なデイバス設計指針を確立することにある.23年度は,「双極型静電誘導ファイバーにおける電極断面形状の発生力への影響」および「ヤモリ型静電凝着・離脱デバイスのモデル化および理論設計」を実施した.(誘電体に対して静電力を発生可能な)双極型静電誘導ファイバーの電極断面形状の設計指針を,有限要素法による静電場解析とラージモデルによる実験を対照させることにより明らかにしてきた.その結果,電極間距離が短いほど,発生可能な静電力は増大し,単面積辺りに換算するとその傾向はより顕著であることであることが明らかになった.さらには,多くの場合,「実際の誘電体を対象にして実験にて計測される静電力」は「対象物を理想誘電体であると仮定して計算される静電力(勾配力)」よりも大きいことが明らかになった.これは,今後のさらなる検証が必要ではあるが,非常に重要な知見を示している.これらの成果をもとに,双極型静電誘導ファイバーを集積化して,ヤモリ型静電凝着・離脱デバイスを実現する際に,解決すべき課題を明確に示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画どおり,各研究項目について,適切に進められていると判断されるため.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究目的そのものの達成のために,課題採択時当初の研究計画に加え,計画が進むにつれて明らかになった知見をもとに,柔軟に方向性を改善する方針である.高分子繊維技術のみならず,高分子リソグラフィー技術なども取り入れながら推進する予定でる.
|
Research Products
(5 results)