2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22360106
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
則次 俊郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70043726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岩 昌弘 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (60243490)
佐々木 大輔 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (50372686)
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Keywords | 制御工学 / 知能ロボティクス / 福祉介護 / 人工筋 / パワーアシスト / ウェアラブル / パワーアシストウェア / 筋電信号 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、外骨格を用いない身体装着型パワーアシストウェアの実現を目的として、空気圧ゴム人工筋を用いたアシストウェアの構造や身体への取り付け方法などを研究した。また、装着者の意思に基づいたアシストウェア制御系を構成するため筋電信号の効果的利用法について検討した。主な研究成果は下記の通りである。 身体装着型パワーアシストウェアは、通常はできるだけ柔軟であり、支援動作を行う時にのみ剛性が増加することが望まれる。このような要求を満足するため新たな空気圧ゴム人工筋を開発した。マッキベン型人工筋のゴムチューブとスリーブ(繊維コード)の間に、管断面を3分割したウレタン製パネルを軸方向に並べて挿入したものである。ゴムチューブに無加圧時には各パネル間に隙間があるため人工筋は90゜程度湾曲することが可能であり、加圧によりゴムチューブが半径方向に膨張するとともに人工筋は軸方向に収縮する。軸方向への収縮により、内部へ設置したパネルは互いに軸方向の押し付け力を受け、それぞれの隙間が減少するように動作する。その結果、無加圧時に湾曲可能であった人工筋が、加圧により直線状に硬化することになる。すなわち、加圧時にのみ高剛性の外骨格としての利用が可能である。この人工筋を用いて、肩部の屈曲、外転、内旋の3動作の支援を行う肩部パワーアシストウェアを試作し、その一つの応用例として食事動作支援への可能性を明らかにした。 また、並行して、通常のマッキベン型空気圧ゴム人工筋を用いた柔軟構造による腰部動作支援や寝返り動作支援を目的としたパワーアシストウェアの開発を進めた。さらに、筋電信号を用いた装着者の意思検出法について検討し、ニューラルネットワークを用いて学習機能を付加することにより、上肢および手指の動作を適切に識別できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上肢、腰部、寝返りなどの動作支援を目的としたパワーアシストウェアの構造設計ならびに筋電や音声信号を用いた装着者の意思検出法の開発はほぼ達成できたが、本研究で目的とする高齢者や具体的の障害者を対象とした有用性の検証が課題として残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
上肢、腰部や寝返り動作の支援を目的として設計されたパワーアシストウェアと、それぞれに適切なセンサおよび制御方式を組み合わせた統合システムを構築する。また、連携研究者である医師と協力して、具体的な障害者や介護者を対象として本システムの有用性を検証する。
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Research Products
(6 results)