2012 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属―希土類非晶質垂直磁化膜を用いた磁壁の電流駆動とテラビット記録への応用
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22360122
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
劉 小晰 信州大学, 工学部, 准教授 (10372509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 教授 (20115380)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 磁性細線 / 磁気メモリー / 磁壁 / スピントルク |
Research Abstract |
今年度は、垂直磁気異方性を持つ遷移金属-希土類アモルファス合金のTbFeCo, DyFeCo磁性細線の電流駆動による磁壁の移動速度とスピントルクの関係、磁壁のピン止めと電流駆動による複数磁壁の位置制御の検討、電流のジュール熱の評価及びそのスピントルクへの影響に関して、研究を行った。磁壁磁気抵抗効果の測定によって、遷移金属-希土類アモルファス合金のスピン偏極率の評価の手法を確立した。この手法を用いて、希土類の種類と材料のスピン偏極率の関係を明らかにした。局所イオン注入の手法を用いて、磁壁の有効なピン止め及び複数磁壁の位置制御を成功した。局所イオン注入後、薄膜の表面の形状変化や磁気特性の変化を確認した。特に、一般的な磁性材料の場合は、局所イオン注入により保磁力の低減が報告されたが、本研究は、イオン注入量の精密な制御により、保磁力の増加を明らかにした。これらの基礎研究を基づく、TbFeCo磁性細線を形成し、複数の磁壁を導入して、その電流駆動による磁壁移動速度の計測、温度の影響に関して具体的に研究を行った。さらに、電流駆動磁壁移動の効率とスピントルク、温度の関係を明らかにした。TbFeCo磁性細線中に、磁壁の内因性ピン止め効果の影響で、磁壁移動の速度が制限されたことを明らかにした。これに基づく、反強磁性結合した二層磁性細線構造を提案した。シミュレーションや実験では、反強磁性結合した二層磁性細線構造は単層のTbFeCo磁性細線の10倍以上の駆動速度を示している。本研究の研究結果は磁性細線を基づく新規なメモリーの高速性とその実現方法を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)