2011 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物地盤における環境リスクの低減と,サステイナブルな社会への貢献
Project/Area Number |
22360185
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝見 武 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (60233764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 徹 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (90324706)
稲積 真哉 京都大学, 工学研究科, 助教 (90362459)
高井 敦史 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (30598347)
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Keywords | 廃棄物処分場 / 海面処分場 / 跡地利用 / 強度・変形特性 / 三軸圧縮試験 / X線回折 / 災害廃棄物 / 廃棄物混じり土砂 |
Research Abstract |
本研究では循環型社会においてもある程度の発生が不可避な固体系廃棄物の埋立地盤を対象とし、安全性を担保しつつ土地資源として適正に活用するための技術課題の解決を図るとともに、土地活用を前提とした廃棄物地盤の造成・管理方法を提案するものである。加えて、東日本大震災に伴う災害廃棄物・津波堆積物についても盛土材等として積極的な利用が望まれているものの、科学的知見が少なく適用が進んでいないのが現状であり、適切な利用に向けた災害廃棄物や津波堆積物あるいはそれらの混合物について地盤工学の観点から品質を検証する。 本年度は海面埋立処分場の廃棄物地盤の工学的特性を、改良型三軸圧縮・透水試験装置、X線回折、電子顕微鏡を用いた微視的構造の観察により評価を行った。その結果、海面処分場内水を模した溶液中での試料養生により、焼却灰中に存在するカルシウムイオン等によりエトリンガイトの生成が促され、強度増加が期待できることが明らかとなった。具体的には、三軸圧縮試験結果から砂地盤と同等の強度を有する可能性が示唆され、適切な基礎構造により上部構造物を支持しうる強度が期待できる結果となった。また被災地から採取した廃棄物混じり土砂について締固め特性、コーン指数を測定した結果、概ね適正な粒度範囲にあること、高いコーン指数を有することがわかった。 海面処分場への焼却灰埋立は我が国独自の処分方式であることから世界的にも研究事例が非常に少なく、跡地利用が進まない原因の一つである。よって本研究の社会的意義は大きく、今後の海面処分場の跡地利用を進める上で極めて重要な知見が得られたといえる。また災害廃棄物や津波堆積物についても積極的な利用を促進するため、盛土材等としての基準の整備が不可欠であることから、復旧復興事業への展開のため意義ある成果が得られたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に実施した内容については、(1)海面埋立処分場の廃棄物地盤の工学的特性、(2)東日本大震災で発生した廃棄物混じり土砂・津波堆積物の工学的特性、について実験的検討を行い、廃棄物処分場跡地利用の促進、復旧復興に向けた廃棄物混じり土砂の適正利用の観点から重要な知見が得られている。これらは研究目的のうち「廃棄物地盤の工学的特性の評価」「跡地利用を前提とした廃棄物地盤の造成・管理方法」に寄与するものである。現状では環境影響評価について未実施であるが順次実施する計画であり、現状はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は廃棄物地盤および災害廃棄物・廃棄物混じり土砂の工学的特性の評価、環境影響評価を継続して実施するとともに、それらを地盤材料として利用する際の課題の抽出、適切な造成・管理方法の提案を行う。研究実施体制としては、室内試験、文献収集を継続して行うことから、大学院生を研究協力者として雇用し、効果的に実施していく予定である。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Performances of landfill liners under dry and wet conditions2011
Author(s)
Mariappan, S., Kamon, M., Ali, F.H., Katsumi, T., Akai, T., Inui, T., Nishimura, M.
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Journal Title
Geotechnical and Geological Engineering
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Na-bentonite as rock containment barrier against heavy metals and acid leachates2011
Author(s)
Naka, A., Katsumi, T., Inui, T., Flores, G., Ohta, T.
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Journal Title
GEOMATE 2011-First International Conference on Geotechnique, Construction Materials & Environment
Peer Reviewed
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