2011 Fiscal Year Annual Research Report
砕波帯・波打帯における準3次元土砂輸送モデルの開発と効率的土砂輸送制御技術の提案
Project/Area Number |
22360193
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
真野 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50111258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30171755)
有働 恵子 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80371780)
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Keywords | 準3次元土砂輸送モデル / 渦動粘性係数 / 底面せん断力 / 浮遊砂 / 砕波帯 / 飛砂 |
Research Abstract |
研究目的:わが国では,土砂供給の減少や遮断により各地で深刻な海岸侵食が進行し,その対策として人工ヘッドランドや養浜などの方策が講じられているが,その効果を評価する適切な予測モデルが無いため,大部分が対処療法的対応に追われている現状にある.本研究は,土砂輸送が活発な,砕波波打帯において卓越する浮遊砂を主な対象とし,海岸構造物と干渉により生じる3次元的挙動を再現できる土砂輸送予測モデルを開発することを目的とする. 砕波波打帯における,流れ・土砂輸送・構造物の相互干渉は複雑で,3次元的な挙動を呈するため,現地観測でえられた流れ場,土砂輸送場を測定値と比較することにより,信頼性の高いモデルの開発を目指す. 昨年度末に発生した、3.11東北地方太平洋沖地震に伴う大津波によって、本研究の対象海岸である仙台湾南部山元海岸は大きく被災し、海岸地形が大きく変化した。このため、本年度は以下の3項目について研究を実施した。 (1)津波来週以前に設置して得られた、波浪諸元、流速鉛直場、底面付近の濁度変化を解析した。高波浪時には、ヘッドランド横を沖に向けて流出する流れ場が、観測され同時に底面付近の濁度も上昇することから、ヘッドランドから沖に流出する土砂フラックスの存在が確認できた。 (2)国土交通省が実施した、沿岸海底地形測量結果を分析し、津波時の戻り流れに伴う、侵食特性が把握できた。 (3)準2次元土砂輸送モデルを開発し、流れ場、浮遊砂輸送場、地形変化を精度良く再現できることを検証した。 (4)これを準3次元土砂輸送モデルに拡張した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
準2次元土砂輸送モデルが完成し、最終目的である準3次元モデルの開発も進んでいる。研究成果も、下記に示すとおり、数多く出版されている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在開発を進めている、準3次元土砂輸送モデルの精度を検証し、改良を加えること。
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