2010 Fiscal Year Annual Research Report
原生動物の高濃度培養による都市下水処理UASBの安定化および高機能化
Project/Area Number |
22360217
|
Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
荒木 信夫 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (30193072)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 隆司 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (10280447)
|
Keywords | 都市下水処理 / 嫌気性処理法 / 原生動物 / 省エネルギー法 / UASB法 / メタン回収 |
Research Abstract |
都市下水を通水するパイロットUASB(容積1148L、高さ4m、内径0.56m)の汚泥を観察したところ多くの嫌気性原生動物が生息していた。顕微鏡観察の結果から、UASB上部から底部に向かうほど個体数が多く、リアクター高さ500mmの汚泥中には最大で約6500cell/mlと極めて高密度に存在していた。また、夏季から秋季にかけて個体数は増加し、冬季から春季にかけては減少する傾向にあった。UASBに生息している原生動物種を解明するためにマイクロマニピュレーターを用いて原生動物1cellを単離し、18S rRNA遺伝子をターゲットに系統解析を行った。結果、4種の嫌気性原生動物の解析に成功し、夏季にはMetopus contortusが、冬季にはTrimyema compressumがUASB内で優占していることが明らかとなった。また、各原生動物の生理特性を明らかにするため分離培養を行う必要がある。その前段階として、原生動物の粗培養を行った。バイアル瓶内の培養では基質としてグルコース0.1g/lを添加した系で初期個体数約600cell/mlから最大で約1400cell/mlまでの増殖を確認できた。しかしながら、培養14日目に原生動物は死滅した。バイアル瓶内の閉鎖的環境では微生物の代謝により、pHやORPなどの環境条件が変化、原生動物の生育が阻害されたと予想される。そこで連続的に培地を入れ替える培養槽を作製した。バイアル瓶の実験と同様に基質をグルコース0.1g/1として培養したところ初期個体数約1000cell/mlから増加、減少を繰り返し最終的に約4900cell/mlの個体数まで増加したところで安定した。最長培養日数85日とバイアル瓶に比べ長期的な培養が可能であった。
|
Research Products
(1 results)