2011 Fiscal Year Annual Research Report
原生動物の高濃度培養による都市下水処理UASBの安定化および高機能化
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22360217
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
荒木 信夫 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (30193072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 隆司 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10280447)
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Keywords | 都市下水処理 / 嫌気性処理法 / 原生動物 / メタン生成古細菌 |
Research Abstract |
嫌気性有機性処理装置(UASB)内に生息する嫌気性原生動物が共存する嫌気性細菌群に与える影響を解明するため、原生動物の共存させる培養系と共存させない培養系を構築したラボスケール装置で連続運転を行った。同負荷でグルコースを供給するそれぞれの系より採取したサンプルの細菌群、古細菌群に対して分子生物学的手法であるPCR-DGGE法、Cloning法を適用し、出現した細菌群の系統解析を行った。 その結果、嫌気性原生動物が共存する系ではFirmicutes門、共存しない系でPtroteobacteria門、Acidocellasp。が優占して検出された。これは共存しない系ではグルコースを細菌群が連携して嫌気分解するのに際して、共存する系ではグルコースを原生動物が消費し、原生動物の代謝物をFirmicutes門の細菌群が資化していたものである。すなわち、嫌気性原生動物と細菌群は捕食-被食の関係ではなく、基質競合関係にあると判断できる。 古細菌群の系統解析では、両系でMethanosaeta sp。、Methanobacterium sp。が検出された。原生動物が共存する系では、共存しない系と比較してMthanobacteriumsp。の割合が低かった。本実験で出現した嫌気性原生動物の細胞内には水素資化性メタン生成古細菌が10^4レベルで存在しており、このために共存する系の汚泥内のMthanobcterium sp。の割合が小さかったものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、長岡市下水処理場の実験サイトのパイロットプラントと実験室内のラボスケール装置で実施している。ラボスケール実験は計画どおりに実施できたが、パイロットプラント実験で装置内の汚泥が抜け出る事故が発生し、運転を再開したが約4ヶ月間に渡って原生動物がほとんど出現しなくなり当初の研究計画の実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
パイロットプラント実験の遅れを取り戻すべく研究を実施しており、24年度内には計画通りに研究を進展することができる。 系内の酸化還元電位の違いによる優先原生動物種の検討は、パイロットプラントに出現している原生動物種が数種に限られてしまっているので実施が困難となっている。新たな湖沼底泥等の植種源を探し、多くの原生動物種が出現するように工夫を重ねる予定である。
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Research Products
(4 results)