2011 Fiscal Year Annual Research Report
材料分離を考慮したコンクリートの生産・施工システムの構築
Project/Area Number |
22360228
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
李 柱国 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50432737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 栄治 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (10284267)
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Keywords | 硬化コンクリート / 分離程度 / 分離の影響 / 振動打設時の分離抵抗性 / 力学性能 / 乾燥収縮 / 中性化抵抗性 / 分離程度限界 |
Research Abstract |
本研究では、材料分離抵抗性を考慮した調合設計、品質管理、施工管理および硬化後の性能予測に関する一連の技術を開発することを目標としている。この目的を達成するために、H24年度に以下の研究を実施した。 1.H22年度に開発した分離抵抗性の評価試験法を硬化コンクリートの分離程度の評価に適用して、打ち込み方向(縦と横)と振動時間を変えて製作した各種の供試体の分離程度を測定した後、圧縮強度、静弾性係数、曲げ強度、中性化抵抗性および乾燥収縮率をそれぞれ測定した。分離程度がこれらの力学性能および耐久性能に与える影響を定量的に検討し、硬化コンクリートの性能が大幅に低下しない分離程度の上限を強度等級ごとに提案した。 2.フレッシュコンクリートの振動打設時の分離程度は、材料の固有性質だけではなく、施工方法および部材の構造条件などの影響を受ける。U型ボックスとγ線密度計を用いた振動打設時の分離抵抗性(ブリーディングと骨材分離)の統合・非破壊型評価試験法を開発した。また、材料分離抵抗性、鉄筋障害程度およびスランプが振動打設時の分離抵抗性に与える影響を定量的に考察した。 3.鉄筋付きのL型充填性試験用ボックスを試作して、高流動コンクリートと通常のコンクリートが自己充填または振動で充填した後の分離程度を測定し、材料分離抵抗性と充填後の分離程度の関係を考察した。また、高流動コンクリートの場合の充填流動距離と材料分離抵抗性の関係を考察して、材料分離が高流動コンクリートの自己充填性能に与える影響を明らかにした。 4.材料分離が発生すると、上部の水セメント比が大きくなるが、粗骨材粒子が減少する。上下部におけるマトリックスモルタル(要素)の強度・個数および節点(粗骨材)の個数を変化して、硬化コンクリートの圧縮強度と静弾性係数に与える材料分離の影響を粘弾塑性サスペンション要素法の要素によって解析的に検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標を達成するために立てた研究計画どおりに、調査研究を順調に実施してきた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者と協力者の連携を強化して、交付申請書に記載した研究計画どおり、実験と解析の両面から研究を進めていく。また、今年度はこの研究の最終年度であるため、過去2年間の成果をまとめながら、補完を行い、今後この研究を更なる発展させるための準備をする。
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