2011 Fiscal Year Annual Research Report
複雑都市キャノピーがもたらす熱・空気力学フォーシング効果の解明とモデル化
Project/Area Number |
22360238
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷本 潤 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (60227238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩島 理 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 准教授 (60294980)
成田 健一 日本工業大学, 工学部, 教授 (20189210)
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Keywords | 都市キャノピー / 風洞実験 / バルク運動量輸送係数 / バルクスカラー輸送係数 |
Research Abstract |
LESによる都市キャノピー内外の組織的乱流構造の解明 LES(Large Eddy Simulation)を適用し,都市建物群を模した立方体粗度群上空の境界層の乱流組織構造を系統的数値実験により解明した.また,数値計算を風洞模型実験結果により比較検証した.具体的には,粗度群への全抗力に対する摩擦抗力の比に関して風洞実験結果との比較により対数則壁関数の粗度長についての検討を行ったところ,粗度群の幾何形状(建蔽率)の条件によらず全抗力に対する摩擦抵抗の寄与率の実験結果を再現できるような粗度長は存在しないこと等を明らかにした. LESによる都市キャノピーからのバルクスカラー輸送機構の解明 単純粗度配列を対象としたLESにより,キャニオン内の換気効果の推定を行った.評価指標として,抗力係数と時間・水平面平均したキャニオン内エネルギー比,運動量フラックスを分析し,次の結論を得た.第一に,建蔽率に対し,抗力係数は上凸の傾向を示すが,エネルギー比は単調減少する.これは,抗力係数が単体の粗度に作用する圧力抵抗と粗度数の積算値であるのに対し,エネルギー比がキャニオン内の局所的な風速を示すためである.第二に,粗度アスペクト比の異なる千鳥配列において,抗力係数では差が見られた高密条件においても,キャニオン内エネルギー比が粗度立面積密度で整理される.この結果は,流れ場の状態に強く依存するエネルギー比の幾何形状依存性は粗度立面積密度で整理できる可能性か高いことを示している.第三に,キャニオン内の運動量フラックスプロファイルの形状は,積分値である抗力係数には影響しない.そのため,歩行者空間などキャニオン内のローカルな環境評価には,風速や運動エネルギー,スカラー風速が適当であることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採択当初予定した,初年度に風洞実験に基づくバルク運動量,スカラー輸送係数と俊樹か情報との高精度データセットの収集,次年度にはLarge Eddy Simulationによる都市キャノピーによる乱流生成機構の解明がほぼ計画通り遂行出来ている.
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Strategy for Future Research Activity |
計画案に従って,PIVによる高精度乱流データ収集に基づく都市キャノピーの動力学機構を解明し,最終的には都市の複雑幾何形状とバルク輸送機構との因果関係を解明する.
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Research Products
(6 results)