2011 Fiscal Year Annual Research Report
積雪シミュレーションを用いた除雪フリーの積雪都市型ECO街区の開発
Project/Area Number |
22360246
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬戸口 剛 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20226674)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 拓哉 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 居住科学部, 研究員 (40462345)
松村 博文 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 居住科学部, 研究科長 (90462324)
|
Keywords | 都市デザイン / 積雪寒冷都市 / 積雪シミュレーション / 低炭素都市 / 環境評価 / 風洞実験 / スマートグリッド / 街区形態 |
Research Abstract |
本研究は、積雪寒冷都市の街区形態と街区の日射や風雪環境との関係性を示し、積雪シミュレーションを用いて除雪フリーの積雪都市型ECO街区を開発する。冬期のエネルギー消費が課題となる札幌都心部を対象とした。 ①中層型と高層型の比較より、計画の方向性の長所と短所を示した。日射Pの面では高層型が、また、雪処理エネルギー、風の強さ、吹き溜まりによる歩行空間の快適性は、中層型が有利である。 ②4つの街区形態モデルの比較。【吹き溜まり】歩道全体で見ると、板状西側が最も優位である。風下側の基壇部により、板状の影響が軽減された。【風の強さ】板状西側が最も優位である。タワー状に比べ高さが抑えられたことと、基壇状により風下側の影響が緩和されたことが要因である。また、ツインタワーが最も不利である。二つのタワーが、広範囲に風の強い領域を発生させている。【風の乱れ】各モデル間で大きな差は見られない。【雪処理エネルギー】板状西側が最も優位である。運搬排雪を想定している創成川公園通りの車道および公園に、多く積雪したことが要因である。また、ツインタワーが最も不利である。広い範囲の吹き払いと吹き溜まりにより、街区内外の歩道空間に多く積雪したためである。【日射受領エネルギー】ツインタワーが最も有利である。最も高さがあり、表面積が大きく、南面採光を大きく確保できるためである。一方、板状は不利である。高さが低く、周辺の建物の影が要因で壁面の採光が小さいためである。 ③対象街区内の総積雪量は4モデルであまり変わらず、都心部の積雪環境を考える上で、隣接街区の歩道までの範囲を、計画単位とする必要がある。 ④a上層部(5層以上)の形態及び配置が、周辺の積雪環境に大きな影響を与える。b上層部の後退を行うほど安定した積雪となる。c上層部を通りに近接させると吹き払いと吹きだまりの影響が顕著となり、場所によって積雪深が大きく異なる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度が最終年度であり、本研究課題は順調に達成した。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は順調に達成し、24年度で完了した。
|
Research Products
(3 results)