2012 Fiscal Year Annual Research Report
レミニセンス(回想法)を導入した認知症高齢者居住環境における感覚誘導システム構築
Project/Area Number |
22360256
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
田中 直人 摂南大学, 理工学部, 教授 (60248169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 啓 和歌山大学, システム工学部, 教授 (50140249)
後藤 義明 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (70461209)
古賀 紀江 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (10295454)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 記憶方式 / 情報システム / 都市計画・建築計画 / 人間生活環境 / 認知科学 |
Research Abstract |
全国の高齢者居住施設の施設職員を対象としたアンケート調査により、現状施設における「迷い行動および徘徊する入居者の割合」「徘徊する入居者の行先の空間傾向」「直観的誘導に有効な空間的設え」等に関する施設での現状及び施設職員の意識を把握・整理し、その傾向を分析、及び「レミニセンス事物を導入した感覚的誘導」に用いることが可能と考えられる環境要素の抽出・検討を行った。その後、協力が得られた施設において具体的事物の長期設置実験を行った。実験の記録方法として施設内にビデオカメラを設置し、長期録画観察の手法を用いたことにより入居者の自然体であり、且つ具体的な動作・状況を確認できたことが本研究の特長であり、意義のある点である。尚、記録方法については協力施設内の倫理委員会の承認を受け実施している。具体的には下記の1)~4)の事物を設置し、その効果を確認した。 1)施設内において放尿行為が頻繁に行われる廊下の一角に放尿抑制の為、「鳥居」「おくどさんの写真」「お地蔵さん(張子)」の設置。2)トイレの入口を直感的にわからせる為、「ピクトグラム」「吊り手水」「文字表記サイン」の設置。3)他の入所者が無断で侵入することが問題となっている個室扉への壁面と同質化を目的とした「レンガ調クロス」の設置。4)自身の個室がわからず、迷う入所者の個室入口へ「入所者の昔の写真等を入れたパネル」の設置。 長期録画画像及び実験後の施設スタッフによる評価から、レミニセンス事物を導入した感覚的誘導として、下記の点の効果を確認することができた。1)放尿抑制効果については「お地蔵さん」が最も高く、次いで「鳥居」であり、より神事的な記憶を回想させる事物の放尿抑制効果が高い。2)個室への侵入防止ではレンガ調クロスにより「壁面との同質化により扉と認識されない」・「壁・動かない物としてイメージされる」等、扉開閉・侵入の抑制効果がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)