2011 Fiscal Year Annual Research Report
非接触超音波3次元サーモメトリーの創製とその高温材料加工プロセスへの適用
Project/Area Number |
22360304
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
井原 郁夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80203280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌土 重晴 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30152846)
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Keywords | 超音波 / 温度プロファイル / 逆問題解析 / リアルタイムモニタリング / 差分法解析 / 高温加工プロセス / レーザー超音波 / 非破壊計測 |
Research Abstract |
本研究は、高温に加熱物体内部の3次元温度プロファイルを計測・モニタリングするための新しい超音波手法(超音波サーモメトリ)を創成するとともに、この手法の有効性を実証することを目的とするもので、当該年度は次の3項目を実施した。 (i)温度同定精度の検証とその向上方策の検討 (ii)温度プロファイリング手法の汎用化と簡便化の検討 (iii)3次元温度プロファイリングの基礎的検討 ・まず、本研究により開発している超音波サーモメトリの測定精度を定量的に把握するために、測定値のばらつきと系統誤差を検討した。表面および内部温度について超音波信号の統計変動に基づく測定値のばらつき(標準偏差)を実験的に明らかにした(最大で±4℃)。また、音速の温度依存性、熱拡散率および伝播時間のそれぞれの変動に基づく温度測定値の系統誤差を理論的に明らかにした。さらに、精度向上の方策として横波超音波の活用について理論的、実験的に検討し、その有効性を実証した。 ・次いで、現状の超音波サーモメトリ(超音波パルスエコー計測と差分解析を組合せた逆解析法)の短所を補うために、レーザースキャニングを援用したステッピング超音波励起法を提案した。この手法は現状の手法に比べて簡便かつ汎用的であるという特徴を有しており、加熱金属材料を用いた実験によりその有用性を実証した。 ・さらに、表面と内部の同時温度プロファイリングを実現するためのレーザースキャニングに関する基礎的検討を行なった。パルスレーザー照射条件を精査するとともに、レーザードップラー法による非接触超音波計測について実験を交えてその有用性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所期の研究計画に沿って研究を遂行しており、昨年度も概ね所期の目標を達成することができた。測定信号の劣化や汎用性の欠如の問題についても解決策を見出しており、それらを踏まえた次年度の研究により当該研究のより一層の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成22年度および23年度の研究成果を基に、次年度は次の3つの課題に取り組む: (i)3次元温度プロファイリングに向けた具体的方策の検討:パルスレーザー照射とレーザードップラー法を活用した3次元空間でのパルスエコー計測とその高精度化 (ii)振動または回転体の非接触温度プロファイリングの実証実験 (iii)高温材料プロセスモニタリングへの適用を目指したフィージビリスタディの遂行 これらを通じて本研究の所期目標の達成を目指す。 なお、これまでの研究成果は国際会議(ASMP2012、ICST2012、USE2012等)で公表する。
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Research Products
(22 results)