2011 Fiscal Year Annual Research Report
航空機用先進複合材料の成形プロセスに関するマルチスケールモデリング
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22360352
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡部 朋永 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50344164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 雅章 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60512085)
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Keywords | 粒子法 / 樹脂流動 / 濡れ性 / ボイド形成 |
Research Abstract |
粒子法による濡れ性を考慮した成形シミュレーションの構築 従来はダルシー則を仮定した有限体積法によって流動シミュレーションが行われてきた。これらは樹脂の流動を正確に追いかけるのに適していない。我々は短繊維複合材料における射出成形シミュレーションを題材として、粒子法を適用し、従来の連続体手法では得られないいくつかのメリットを明らかにしている。この手法は樹脂含浸といったマイクロスコピックなテーマには極めて適しており、本研究により新たな学術的な展開も期待できる。また、従来の手法は繊維・樹脂界面の濡れ性が考慮されておらず、この効果を評価することが出来ない。我々は2体間ポテンシャルを援用した新たな手法を開発しており、従来に比べて非常に簡単に濡れ性を考慮することができる。以上の結果を論文として纏め、論文として投稿した。また、以上の内容について、実験と計算の直接比較を行った。この実験と計算の直接比較を行うことで、モデルの定量性だけでなく、実験では直接観察できなかったマルチスケールな動的特性も容易に評価することができる。比較に用いた実験に関しては京都大学の北條教授のグループが行ったマイクロ流路を利用した、微視的流れの直接観察に関するものである。この比較結果は大変良く一致し、かつ、繊維束内の流れは、繊維・樹脂界面の濡れ性と繊維配置構造の両面に影響を受けることを明らかにした。さらに、実際の織物複合材内部における繊維束に近い状況を模擬した解析を行い、繊維・樹脂界面の濡れ性を変化させたときの解析を行い、複合材成形に関する知見を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子シミュレーションと樹脂流動解析に関しては、当初の予定を上回るペースにて進んでいる。一方、これに基づく界面特性の定量評価に関しては、実験データの取得が難しく、難航している。出来うる限り早く計画にキャッチアップしたいと考えている。したがって、全体を通してみると「おおむね順調に進展している。」と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
分子シミュレーションと樹脂流動解析に関しては、これまでの計画通りに進め、早い段階で完成させたい。また、得られた成果を出来るだけ早い段階で論文として纏め、数多く投稿したいと考えている。一方、界面特性の定量評価に関しては、焦らず、着実にデータを取得したいと考えている。また、この内容でも論文として纏め、学術誌に投稿したいと考えている。
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