2011 Fiscal Year Annual Research Report
2波長テラヘルツレーザーを用いた核融合プラズマ計測法の開発研究
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22360393
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
森下 一男 (川端 一男) 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (60109353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 毅志 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (80370138)
田中 謙治 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (50260047)
岡島 茂樹 中部大学, 工学部, 教授 (90113084)
中山 和也 中部大学, 工学部, 講師 (40434584)
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Keywords | 核融合プラズマ / レーザー計測 / テラヘルツ / 干渉計測 / 偏光計測 |
Research Abstract |
本研究は、現在電子密度分布計測に使用している119ミクロンCH_3OH laser干渉計では測定が困難となる、ITER及び将来の核融合炉のような大型・高密度プラズマにおいて、波長50ミクロン帯のテラヘルツレーザーを開発し、新たに見つかった2波長同時発振(57/48ミクロンCH_3OD laser)を利用した新しい干渉計塗開発、確立しようとするものである。また、偏光計測を同時に行うことにより、プラズマ内部磁場分布の同時計測法を確立しようとするものである。 本年度は、波長57/48ミクロンでの同時発振時に、帰還制御によって出力及びヘテ.ロダインビート周波数の安定化に成功した。これにより、ビート周波数変動は±10kHz以内、出力は30分間で±3%以下に抑制することができるようになった。これまではテラヘルツ光の検出に液体ヘリウム冷却Ge:Ga検出器を用いていたが、冷却のための取り扱いの煩雑さが問題であった。そこで、新たに室温で使用できる導波管タイプのショットキーバリアダイオードを適用してビデオ感度を評価したところ、CH_3ODレーザのビデオ感度は、それぞれ約4.3V/Wと約1.9V/Wと干渉計測用の検出器としては十分な感度があり、本システムで利用できることが分かった。また、これまで別々に開発を行ってきた干渉計測、偏光計測のシステムを統合し、同時計測を可能にした。プラズマを模擬したガスセルと波長板による偏光角の回転を同時に与えた場合でも、それぞれの計測がもう一方に誤差等の影響を与えることなく、独立に計測可能なことを確認した。また、レーザーの帰還制御も、計測に与える影響はほとんどないことが分かった。真空窓材として使う高抵抗シリコンにおいて、材料の磁気的効果が問題となることが懸念されていたが、その大きさ(偏光面の回転角)を評価したところ、計測誤差以上の回転が生じないことを確かめ、本システムでは無視してよいことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計測用光源開発としてのレーザーの出力・周波数安定化、計測手法としての干渉計測・偏光計測の同時計測の実証、計測やシステム設計に影響を与える光学素子の特性評価は順調に進んでいる。レーザーの帰還制御とそれによる計測の安定化は、当初の予想よりも高いレベルが実現し、数時間にわたる連続的で高精度な干渉計測が可能になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ITER等の実環境において想定される課題について、計測に与える影響を定量的に評価する。例えば、偏光計測において、プラズマによってプローブ光が楕円化した場合の計測誤差、プローブ光が屈折した場合に、ビーム伝送用導波管にoff-axisで入射した場合の伝送特性と計測値への影響、及びITERサイズのシステムでのビーム伝送距離を想定した、誘電体導波管伝送実験を行い、これらを元に実機を想定したシステムの概念設計を進める。
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Research Products
(9 results)