2010 Fiscal Year Annual Research Report
温帯落葉果樹の休眠制御における低温シグナルの機能に関する研究
Project/Area Number |
22380019
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
菅谷 純子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (90302372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弦間 洋 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70094406)
瀬古澤 由彦 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (90361310)
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Keywords | 休眠 / 落葉果樹 / 低温 / 植物ホルモン / メタボローム |
Research Abstract |
本研究では、温暖化や異常気象がもたらす果樹の発芽異常の原因とメカニズムの解明するため、ニホンナシなどの温帯落葉果樹の休眠導入や休眠打破における低温の役割について明らかにする。そのために、本年度は、異なる低温条件下においた休眠芽の代謝について調査した。 (1)異なる低温遭遇条件においた際の花芽の萌芽とネクロシス 休眠に必要な低温積算に寄与する7.2℃以下の低温遭遇開始時期をそれぞれ11月、12月、1月に設定した区を設け、休眠打破には不十分な600CHに遭遇させた芽の萌芽、およびネクロシスについて調査した。その結果、低温遭遇開始時期が遅くなるほど花芽中の小花のネクロシスが増加することが明らかになり、さらに、12月に低温に遭遇させ始めた花芽と1月に始めた花芽とでは、ネクロシスが発生する原因が異なる可能性が示された。 (2)自発休眠導入初期のニホンナシ花芽におけるメタボローム解析 低温に一定期間遭遇させた後、サンプリングした花芽のメタボローム解析を行った。その結果、低温に遭遇した花芽では、遭遇しなかったものと比べて、TCA回路を含む呼吸関連の代謝系の他、アミノ酸代謝等に変化が認められることが明らかになった。 2.休眠芽における植物ホルモン関連遺伝子の発現解析および5'上流域の単離と解析 (1)アブシシン酸生合成および代謝酵素遺伝子の上流域の単離 ニホンナシおよびモモよりゲノムDNAを単離し、genome walker kitにより、アブシシン酸の生合成酵素9-cis epoxycarotenoid dioxygenase(NCED)遺伝子およびABA8'水酸化酵素遺伝子の上流域のクローニングを試みた。また、モモの休眠芽におけるNCED遺伝子の発現様式について定量PCRにより解析した。
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