2012 Fiscal Year Annual Research Report
カンキツの果実離脱に関わる分子機構の解明と単為結果性の評価
Project/Area Number |
22380025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北島 宣 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70135549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽生 剛 愛媛大学, 農学部, 助教 (60335304)
清水 徳朗 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, カンキツ研究領域興津, 上席研究員 (90355404)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 果樹 / カンキツ / 単為結果 / 生理落果 / 果実離脱 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
カンキツの二次生理落果では、離層組織が形成されて果実が離脱するとされていたが、ポンカン、ヒュウガナツ、清見の調査により、離層組織は形成されず、離脱24時間前頃から離脱部位の細胞に形態的変化が生じて離脱することが明らかとなった。また、カンキツ果実の離脱はエチレン発生と密接に関係しているとされていたが、ポンカン、ヒュウガナツ、ウンシュウミカン、清見の採取果実を寒天挿しし、離脱とエチレン発生量を調査した結果、ポンカンとヒュウガナツは離脱6時間前でもエチレンはほとんど発生しないにもかかわらず、ほとんど離脱がみられないウンシュウミカンでは、寒天挿し48時間後から高いエチレン発生量が認められた。このことから、カンキツ果実の離脱はエチレン発生と直接的に関係しないことが示唆された。2葉着生した果梗枝と摘葉した果梗枝を寒天挿しした結果、ポンカン、ヒュウガナツ、清見では着葉した果実の離脱は明らかに抑制され、果実離脱の誘導には糖シグナルが関与している可能性が示唆された。ウンシュウミカン以外は果皮色が緑色で離脱が生じるが、ウンシュウミカンは果皮色が緑色から黄色に変化しても離脱が生じないことなどから、ウンシュウミカンは果実の離脱機構が損なわれているものと考えられた。カンキツ12種・品種について有核果実と無核果実の寒天挿しによる果実離脱を調査した結果、ポンカン、ネーブルオレンジ、イヨカンは離脱しやすく、ウンシュウミカン、ブンタン、ヒュウガナツは離脱しにくいこと、有核果実と無核果実の離脱パターンは同様なことが認められた。このことから、ウンシュウミカン、ブンタン、ヒュウガナツは単為結果性の高いことが示された。マイクロアレイ解析の結果、これまでの細胞壁分解酵素関連遺伝子だけでなく、オーキシンやストレスに関連する遺伝子が離脱に関係している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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