2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規脂質変換反応の探索と機能性脂質生産プロセスの開発
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22380051
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
櫻谷 英治 京都大学, 農学研究科, 助教 (10362427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩下 大郎 京都大学, 農学研究科, 准教授 (20432346)
安藤 晃規 京都大学, 農学研究科, 助教 (10537765)
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Keywords | アラキドン酸 / モルティエレラ / 分子育種 / 高度不飽和脂肪酸 / 脂肪酸鎖長延長酵素 / 脂肪酸不飽和化酵素 / デスモステロール / 相同組換え |
Research Abstract |
1. アラキドン酸生産性糸状菌Mortierella alpina 1S-4は、天然で希少なデスモステロールを蓄積することが知られている。しかしながら、その生合成経路については不明な点が多い。我々は、デスモステロールを含む微生物ステロールの生産を目指した分子育種を試みた。小胞体膜貫通タンパク質であるERG28pは4, 4-DimethylzymosterolをZymosterolへ変換するC4脱メチル化酵素複合体を小胞体膜につなぎとめる働きをすると考えられている。そこで、M.alpina 1S-4からerg28遺伝子を単離し、過剰発現させることでステロール生産性向上を試みた。その結果、コントロール株が単位培地当たり13.0mg/lであったのに対し、erg28発現株では20.0mg/lとなったことから、ステロール生産量を約1.5倍高めることに成功した。 2. 糸状菌の形質転換では、相同組換えの頻度は一般的に非常に低い。M.alpina 1S-4においても外来遺伝子は非相同組換えによりゲノム上へ挿入される。そこで、非相同組換えに関わると考えられるDNAリガーゼ(Lig4)注目し、lig4遺伝子の転写量をRNAiあるいは、アンチセンスで抑制した転写抑制株をまず作製することとした。転写後2本鎖RNAが形成されるコンストラクトとアンチセンス鎖が転写されるコンストラクトを構築し、形質転換に用いた。形質転換体のlig4遺伝子の転写量をリアルタイムPCRで測定し、転写量が4分の1に低下した転写抑制株を得ることに成功した。現在、この株を用いてΔ5脂肪酸不飽和化酵素遺伝子破壊を試みている。得られた形質転換体の脂肪酸組成を分析することで遺伝子破壊の可能性を評価している。
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Research Products
(3 results)