• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Annual Research Report

イムノモジュレーションを用いた植物細胞膜タンパク質の網羅的機能解析

Research Project

Project/Area Number 22380065
Research InstitutionIbaraki University

Principal Investigator

鈴木 義人  茨城大学, 農学部, 教授 (90222067)

Project Period (FY) 2010-04-01 – 2014-03-31
Keywordsイムノモジュレーション / 抗体 / 膜タンパク質 / サイトカイニン
Research Abstract

本研究は,植物の膜タンパク質に対する抗体を中心に,抗体を用いた植物の生理機能の調節を行うイムノモジュ
レーション研究を発展させることと目的としている。
1.前年度までに,抗体ライブラリーの膜タンパク質に対するサブライブラリー化の状況を判断する方法に問題があることが認識され,膜画分へ特異的な結合能を有することを示すことが出来ないままに,植物への導入作業を行った。抗生物質耐性を示した第1世代の形質転換植物について形質を観察したところ,通常の生育条件下で矮性や頂芽優勢の低下を示すラインが認められた他,ストレス性と思われる赤みがかった植物が得られたが,形態形成に関する特徴的な変異形質を示すラインは得られなかった。
2.上記の形質転換体のうち,矮性などの異常を示し植物の多くからは種子が得られなかったが,得られたものに関しても安定な形質の発現が認められなかった。いくつかのラインについて,予備的にゲノムDNAを抽出し,scFv遺伝子部位をPCRにより増幅し,ファージディスプレー用のファージミドベクターに導入した。ファージ上で発現させた抗体を用いたウェスタン解析を進めているが,現時点で明瞭なバンドは得られていない。
3.サイトカイニン合成の鍵酵素である,イソペンテニルトランスフェラーゼについて,基質の異なるAMP型,ATP/ADP型,tRNA型の3種の酵素遺伝子を用いて,大腸菌での発現を行った。各種大腸菌宿主および培養条件を検討した結果,tRNA型は可溶性タンパク質として,それ以外の2つは不溶性タンパク質として大量調製することに成功した。tRNA型はポリスチレン容器へコートし,それ以外は電気泳動後メンブレンへブロッティングしたのち,抗体ライブラリーをもちいたパニングを行った結果,AMP型の酵素に関してタイター上昇し,ウェスタン解析によって目的の抗体の取得が確認された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

抗体ライブラリーから膜タンパク質を認識する抗体のサブライブラリーを調製する段階で,操作が首尾良く行われているか否かの判断をブラシノステロイドとジベレリン受容体であるBRI1に対する抗体を用いて行おうとしたが,BRI1自体が植物からの調製が困難なタンパク質であり,予定通りの進行が不可能となった。そこで,期待されたファージの濃縮が行われているとの仮定のもとに作業を進めているが,現時点では当初の目的に近づいているかどうかの判断が出来ないという点で遅れていると判断される。
一方で,新たに始めたサイトカイニンの合成酵素の発現は条件検討を結果達成され,また,一部の酵素に関しては,それを認識する抗体をライブラリーから取得することに成功した。使用している抗体ライブラリーは定評のあるものであるが,今回の結果からもライブラリーそのものには十分のポテンシャルがあると判断される。

Strategy for Future Research Activity

以下のように,抗体サブライブラリーを導入した植物に関して,新たなラインを用いた研究手法の評価と,サイトカイニン合成酵素に対する抗体を用いらイムノモジュレーションを進める。
1.形質転換マーカーの確認された新たな形質転換ラインより,導入された抗体遺伝子を回収し,抗体タンパク質の調製を継続する。また,得られた抗体を用いて,植物タンパク質画分に対するウェスタン解析を行い,導入抗体の可否を判断する。
2.抗体が認識するタンパク質が植物体に存在することが判明した場合は,抗体を用いたアフィニティーカラムの作成などを通して,抗体に結合するタンパク質を精製し,同定を試みる。さらに,タンパク質が特定された場合は,当該タンパク質をコードする遺伝子の破壊株を入手し,形質の比較を行う。
3.サイトカイニン合成酵素に対する抗体遺伝子をバイナリーベクターに導入し,形質転換体を得る。安定的に
抗体を発現するラインを選択し,形質,サイトカイニンの内生量などの解析を行う。

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi