2010 Fiscal Year Annual Research Report
微細構造制御によるプリンタブルペーパーエレクトロニクスの創出
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22380092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江前 敏晴 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (40203640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯貝 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40191879)
佐藤 利文 東京工芸大学, 工学部, 教授 (00308339)
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Keywords | 紙 / エレクトロニクス / 印刷 / パルプ |
Research Abstract |
4種類の紙の上にインクジェットプリンタを用いて導電性銀ナノインクの配線を行い、その銀配線の導電的性質と形状を評価した。写真画質インクジェット紙では1~4回の吐出でそれぞれ同程度の低い抵抗値(約4Ω/cm)が得られた。マットタイプインクジェット紙は重ね塗り吐出を1~4回行うことで85~9Ω/cmの抵抗値低下があった。オフセット印刷用コート紙は1~4回の吐出でそれぞれ同程度のやや高い抵抗値(約18Ω/cm)を示し、試験用手すき紙は、4回までの吐出では無限大の抵抗値を示し、銀ナノ粒子が焼結しなかったことがわかった。いずれも従来のインクジェットインクの吸液特性を反映する結果であった。抵抗値が高い原因として導電性インクが紙表面上で水平方向に広がって連結しにくくなる現象がある。このため濡れ広がりの抑制を表面エネルギーの制御により行う手法を試みた。使用した紙試料の中で、写真画質のインクジェット紙を用いたとき、導電性の銀配線の幅が最小となり、抵抗値も最小となった。写真画質のインクジェット紙表面は空隙率が最も高く、細孔径の小さい毛管が多い、適切な多孔構造を持つからであると考えられた。試験用手すきの場合は、フッ素系樹脂を用いて制御する方法により、紙の表面エネルギーを低下させたところ、配線の幅を狭くすることができ抵抗値を低下させることに成功した。この表面エネルギー制御法は、非塗工紙上に形成する導電性銀配線の機能を向上させるのに有効であり、紙の表面形状を維持しながら、電気回路を形成することができる方法と言える。
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Research Products
(17 results)