Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅本 雅 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター, 管理監 (20370520)
関野 幸二 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, チーム長 (70370492)
磯島 昭代 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 研究員 (00355257)
後藤 一寿 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 研究員 (70370616)
安江 紘幸 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40508248)
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Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続き篤農データベースの蓄積,共同調査による篤農技術の特性に関するメンバーの共通理解の醸成,メンバー個々による篤農技術の詳細な調査を実施した。共同調査では,青森県弘前市のリンゴ剪定技術で農業技術の匠に認定された篤農の技を視察するとともに,その内容の特性について聞き取り調査を実施した。また,同時に青森県で天皇杯を受賞した水田作経営農家2戸を調査し,大規模有機栽培技術の特徴,大規模水稲・大豆生産技術の特徴を調査した。 メンバー個別の調査では,研究代表者らのグループでは,主として宮大工など農業以外の匠の技の特徴の分析,農業経営技術の匠の経営管理技術の特徴,茶園栽培・経営技術の特徴,知的財産の創造・管理技術について調査・分析を実施した。関野・磯島は,様々な特徴を有するリンゴ剪定技術の聞き取り,DVDによる把握(アイカメラの活用)を試みている。梅本は,これまで分析してきた水稲の代かき技術の特徴を多面的な角度から把握するとともに,その形式知化を試みている。また,大豆生産の篤農技術に関しても解析を試みている。後藤は,特定の篤農技術ではなく,農産物の生産・加工など複合技術として技術を組み立てることにより,6次産業化,農商工連携という事業の多角化を実現するための効果的なプロセスの解明を試みている。安江は,経営継承,特に無形資産の継承における普及員等の関与者の役割に焦点をあて,技術の伝承における外部の関係者の役割の解明を試みている。具体的には,養豚経営のネットワーク型の組織体,稲作における篤農技術の伝承を試みる組織を取り上げ,技術伝承における関与者の役割の把握を試みている。 なお,研究代表者は,篤農技術の伝承を評価するための様々な手法の有効性に関する評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の影響により,研究代表者を始めとしてメンバーの多くが震災対応の活動に多くの時間をとられ,本プロジェクトにかける時間が制約されたが,調査は順調に進みデータが蓄積されるとともに,学会論文としての発表も順調に行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は研究の最終年度にあたるため,これまでの研究成果を集中的にとりまとめて学会論文を中心として成果の発信を行う。また,研究成果を集大成して公刊図書としてとりまとめて行きたいと考えている。なお,この場合は,篤農技術の解説付きDVDなど映像データも同時に公開することを計画している。 また,これまで研究成果や技術の伝承手段として活用されている技術マニュアルの妥当性の評価に基づき,暗黙知をいかに効果的に形式知化していくか,その方法について解明を試みる。さらに,篤農が保有している多様な暗黙知を言語情報として聞き取るための有効な調査方法の解明を試みる。
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