2012 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥地灌漑農地における塩類化リスク地域の同定と持続的最適用水配分
Project/Area Number |
22380129
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
赤江 剛夫 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (10123423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 秀則 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60239663)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 乾燥地 / 灌漑 / 塩分集積 / 衛星画像 / 蒸発量 / 地表面温度 / 最適用水配分 |
Research Abstract |
本研究の具体的目標は、以下の3点に集約される。(1)地表面温度から蒸発量を計算するモデル(MSTモデル)を作成し、衛星画像による地表面温度データ分布から広域蒸発量を推定する。これにより、塩類化リスク地域を同定する。(2)GISデータを用いて塩類化要因を分析し、用排水システム管理の改善策を提案する。(3)灌漑水の移動経路と蒸発による消費を組み込んだ精度の高い最適用排水配分計画を策定する。研究目的を達成するため、下記の通り平成24年度の研究を実施した。 H24年9月、現地の研究協力組織と共同して用排路水と地下水の組織的な採水を行い、陽イオン組成を分析するとともに、土壌塩分濃度と作物生育状況の空間的分布を河套灌区全域で把握した。また、塩分集積地と砂丘地において、地温分布と蒸発量を測定した。採取試料を持ち帰り基礎的物理化学性を測定した。 (1)MSTモデルをMODIS画像から計算した地表面温度分布に適用して、河套灌区全域の蒸発量分布を計算した。推定蒸発量とNDVIの散布図から塩類地を区分する閾値を設定し、塩類化リスク地をマッピングした。その結果、灌区の中部から東部で塩類化リスクが高いことが示された。(2)標高、勾配、曲率などの基礎的地形情報とグランドトゥルースで得た土地利用種・塩類集積地分布の関係を分析し、両者の間に有意な関係が存在することを確かめた。また、MODIS画像のバンドデータを説明変数としたロジットモデルで土地被覆状態の判定が可能であることを示すとともに、蒸発量-浸透量と用水量過剰度のプロットから、適正用水量を算定した。(3)昨年度までの最適用排水配分計画を改良し、MSTモデルを用いて計算した蒸発量を新たな制約条件として組み込んで計算した。搬送効率の改良は、取水量をより多く削減でき、排水路通水量増大が不要となるなど、用排水路システムの改善に大きく寄与することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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