2011 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ子宮内膜細胞におけるサーカデイアン振動の発生解析と機能解明
Project/Area Number |
22380152
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
服部 眞彰 九州大学, 農学研究院, 教授 (60175536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 伸彦 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00363325)
宗 知紀 九州大学, 農学研究院, 助教 (90221340)
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Keywords | 代謝・内分泌制御 / 細胞時計 / 繁殖 / 子宮内膜細胞 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
ウシ子宮内膜の上皮細胞および間質細胞でのペースメーカーの発振機構と機能を解明するために,入力系,ペースメーカー,出力系の3成分に分けて解析する.上皮細胞および間質細胞でのペースメーカーを高い精度でモニターする(項目2)ペースメーカー振動に影響する入力系因子の評価と検索,(項目3)ペースメーカー振動に呼応して振動的に発現する出力系遺伝子群の評価と検索,(項目4)出力系の検証のために,コア時計遺伝子をターゲットにしたRNA干渉による影響を調べる.項目2:マウスPer1プロモペーターを挿入したベクター(mPer1:Luc)を導入した間質細胞を同期化した結果,第一位相が認められた時間帯からmRNAを分離して時計遺伝子(Bmall, Clock, Per1, Per2, Rev-erbα)の発現を解析した.上皮細胞ではエストラジオールを添加することによって,Cosinor解析では有意な周期性とは言えないまでも,ANOVA解析では有意な変化が認められた.あわせて時計遺伝子の制御下にあると思われるCox2遺伝子の変動を解析した結果,BmallとClock遺伝子の発現の数時間後から急激な発現増加が認められた.この増加はRev-erbαによる制御ではないことから,BMAL1とCLOCKによるE-boxを介した転写活性の増加によることが考えられる.一方,間質細胞ではプロジェステロン添加によってもCox2遺伝子の発現には殆ど変化は認められなかった.以上の知見から,黄体機能の運命を握るプロスタグランジンF2αの産生を制御するCox2遺伝子は上皮細胞の細胞時計に制御されていることが示唆された.Bmall-mRNAのRNA干渉を用いて詳細な解析を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウシの子宮内膜細胞(上皮細胞、間質細胞)での細胞時計の振動が当初予想したよりも弱いことがあげられる。そのため、マウスPer1プロモーターを用いたベクターでも連続的な振動として捉えることが難しい。僅かに振動として捉えた位相を中心に時計遺伝子の発現をqPCRで測定する以外に検出法がない。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットでのデータをウシに挿入して細胞時計の解析を進める。特に、ウシの子宮で重要な課題が黄体機能を停止させるシグナルが子宮上皮細胞で発生するので、上皮細胞での細胞時計の解析に重点を置く。
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