2010 Fiscal Year Annual Research Report
侵害受容器を介した病態痛発生の分子機構の解明と痛覚評価モデル系の確立
Project/Area Number |
22380160
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
太田 利男 鳥取大学, 農学部, 教授 (20176895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 賢次 鳥取大学, 農学部, 准教授 (00400143)
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Keywords | TRPV1 / 遺伝子クローニング / 細胞内Caイメージング / Xenopus Tropicalis / ポリモーダル受容体 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
神経の損傷や機能障害により発生する神経因性疼痛や逆行性C線維興奮症候群は難治性病態痛であるため、ヒト医療や獣医臨床において疼痛管理上、問題となっている。しかし、現在までその発現機構は十分に解明されていない。本年度の目的は、難治性病態痛の発現の分子基盤として、近年見出されている侵害受容チャネル蛋白質のTransient Receptor Potential (TRP)に着目し、その活性機構を明らかにすることである。そのため、これまで明らかにされていなかった動物種におけるTRPV1遺伝子のクローニングと機能解析を行い、活性制御における系統発生学的な分子解析を行った。Xenopus Tropicalisの末梢神経からTRPV1遺伝子(XtTRPV1)をクローニングした。その結果、XtTRPV1遺伝子はこれまで報告されている哺乳類オルソログとアミノ酸レベルで約60%の相同性があることが明らかになった。XtTRPV1の機能解析のため、GFPと共に発現可能なベクターに組換え、Hela細胞へ遺伝子導入した。XtTRPV1遺伝子産物(XtTRPV1チャネル)の機能解析はFura2を用いた細胞内Caイメージングにより行った。その結果、組換えXtTRPV1タンパク質はカプサイシン、酸及び熱により活性化することが明らかになった。また、カプサイシン感受性はこれまで報告されているヒトやげっ歯類のTRPVIオルソログに比べて低いことが分かった。これらの成績から、XtTRPV1は哺乳類と同様にポリモーダル受容体として機能すること、更にXtTRPV1タンパク質はTRPV1の機能解析や発現解析において有用であることが示唆された。
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Research Products
(7 results)