2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子発現解析技術・生物検定を用いた表生細菌・イネ相互作用の解明
Project/Area Number |
22380183
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
對馬 誠也 独立行政法人農業環境技術研究所, 農業環境インベントリーセンター, センター長 (50354080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 栄一 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物・微生物間相互作用研究ユニット, ユニット長 (70373256)
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Keywords | 葉面細菌 / 全細菌数計測 / 無菌イネ作出 / イネ遺伝子発現解析 / 細菌・イネ相互作用 |
Research Abstract |
まず、種子消毒を行う方法により、無菌イネ(低密度表生細菌のイネ)の作出に取り組んだ。その結果、少なくとも出芽後2~3週間程度は、表生細菌(洗浄して得られる細菌で評価)が検出限界以下または通常イネより1/10000以下の菌密度のイネを安定して栽培することが可能になった。今後の課題としては、より長い期間無菌状態のイネを栽培する実験系を目指す必要があるため、イネを栽培するゲージも大きくするなど工夫する必要がある。また、作出した無菌イネと通常のイネの生育等を比較した結果、無菌イネの場合、葉に斑点がでる場合もあることが観察され、普通イネに比べやや生育が劣る可能性が示唆された。 次に、無菌イネと普通栽培イネのマイクロアレイ解析を実施した。その結果、両者の間では、明らかに発現している遺伝子群が異なっていた。たとえば、無菌イネで普通イネに比べ発現が上昇している遺伝子として、キチナーゼ、グルカナーゼ、病害抵抗性関連遺伝子、WRKY domainなどがあり、それらの発現遺伝子数は無菌イネで圧倒的に多い傾向がみられた。現在、その他の誘導抵抗性遺伝子も含めて、詳細に解析をしているが、少なくとも、表生微生物が著しく低下したイネと普通栽培イネで発現遺伝子群が著しく異なることが示唆された。 今後の課題としては、再現試験を繰り返し行い現象を確認するとともに、「種子消毒による影響はなかったか」などを調べて、「微生物の有無」がどの程度イネにおける各種遺伝子の発現に影響しているのかを詳細に検討する予定である。
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Research Products
(2 results)