2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞の肝細胞及び胆管上皮細胞への分化と創薬研究への応用
Project/Area Number |
22390028
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大森 栄 信州大学, 医学部附属病院, 教授 (70169069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 克徳 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (20361363)
松永 民秀 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40209581)
山折 大 信州大学, 医学部附属病院, 准教授 (40360218)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ヒト人工多能性幹細胞 / iPS細胞 / 肝細胞 / 腸管上皮細胞 / 低分子化合物 / 分化誘導 |
Research Abstract |
ヒトiPS細胞から肝細胞への分化誘導に増殖因子等の液性因子が用いられているが、不安定であるため取り扱いが困難な上に非常に高価である。また、核内転写因子の遺伝子導入法も報告されているが組換え遺伝子の取り扱いの問題がある。本研究は、安価で取り扱いの容易な低分子化合物がヒトiPS細胞から肝細胞及び腸管上皮細胞への分化誘導に与える影響を明らかにすることを目的とした。肝細胞への分化誘導は、iPS細胞をアクチビンA処理することで内胚葉に、続いてDMSOにて肝芽細胞に分化させ、OSM、DEX、HGFによって成熟させる方法にて行った。腸管上皮細胞は、アクチビンA処理で内胚葉に、続いてFGF2にて腸管系譜細胞に分化させ、EGFによって腸管上皮細胞に分化誘導した。また、分化の際に低分子化合物を添加し、肝細胞及び腸管上皮幹細胞への分化に及ぼす影響について検討した。 肝細胞への分化後の細胞において、形態学的に特徴的な多核の細胞が観察され、肝細胞マーカーの発現が認められた。また、ALB、PXR、CYP2C9、CYP2C19、CYP3A4及びUGT1A1に関して、これらのmRNA発現は低分子化合物Aの添加により増加した。CYP3A4のリファンピシンによる誘導は低分子化合物Aを添加することで、さらに増加した。また、ALB免疫蛍光染色を行ったところ、ほぼ全ての細胞で陽性を示した。腸管上皮細胞への分化においては、マーカーであるsucrase-isomaltaseの陽性細胞が腸管特異的なペプチドトランスポーター機能を有していることを明らかにした。また、低分子化合物B及びCを分化の過程で処理することにより、腸管上皮幹細胞マーカーのLGR5及びEphB2の発現上昇が認められた。以上の結果より、本研究で用いた低分子化合物はヒトiPS細胞からの肝細胞あるいは腸管上皮細胞への分化を促進することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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