2012 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞と膵β細胞の数学モデル構築による機能動作メカニズム解析
Project/Area Number |
22390039
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
野間 昭典 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00132738)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | システム生理学 / フィジオーム / 心筋 / 膵臓β細胞 / 細胞モデル |
Research Abstract |
昨年度まで、bifurcation analysisと我々の開発したLead potential analysis(Cha et al., 2009, Biophysical Journal 2009)それに、伝統的なIーV曲線解析を新たに作成した膵臓β細胞数学モデルに適用し、イオンチャネルの寄与を時間軸に沿って定量的に解析し、また平衡点解析によって、細胞膜の興奮性が変化する様子を示した。24年度はヒト包括的心筋細胞モデルを構築することに成功した。このモデルは、細胞内におけるCa濃度分布を筋小胞体接合部、その周辺とその他の部分で表し、実験で得られている機能的濃度分布をほぼ再現した。また、刺激頻度に対する活動電位及び収縮力変化を再現でき、収縮モデルを取り込んだヒト細胞モデルとしては新規のものである。このモデルでは早期後脱分極(EAD)のメカニズムについて数学的解析を実施することができている。特に、Naチャネルの遅延不活性成分(INaL)をモデル化して組み込み、心不全時に認められている更なる不活性化の遅延効果を検証した。遅延を過度に引き起こすシミュレーションでは、実際に活動電位の延長に伴いEADを観察することができた。INaLの開口確率は時間と共に徐々に減少するものの、それぞれのEAD波形時間経過中にはINaLの開口確率は殆ど変化しないことから、INaLは背景電流として寄与している。そこで、INaLの振幅と膜興奮性について分岐解析を適用したところ、EADは低膜電位自発興奮として理解することができた。Lead potential analysisはイオンチャネルメカニズムに加えて、筋小胞体からの自発Ca放出がこのリズム形成に関与することを示した。作成された細胞モデルはヒト心室筋細胞機能の薬理学的調節のための基盤的知見を供給するものである。現在、論文の作成を目指して努力している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)