2011 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍における多能性維持転写因子NACC1発現の意義と活性阻害剤開発に関する研究
Project/Area Number |
22390071
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
前沢 千早 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10326647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 剛 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50175064)
西塚 哲 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50453311)
野中 孝昌 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30242457)
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Keywords | 転写因子 / 多能性 / 病理 / ケミカルバイオロジー / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
近年、ES細胞を初めとした幹細胞の多能性維持に関連する転写因子ネットワーク(Oct4,Sox2,Klf4,c-Myc,Nanog,Dax1,Rex1,Zpf281,NACC1)の活性化が、腫瘍の分化度や予後と密接な関連を持つことが報告された。我々は、このネットワークの一員であるNACC1(nucleus accumbence associated 1)が、核内外で多彩な翻訳後修飾を受けることで、複数のがん関連蛋白質との相互作用を生じ、その生物学的特性の形成に関与していることを解析している。本年度鉢、以下の事を明らかにした。 Project1 ●NACC1は、Cortactin、tubulinの脱アセチル化機構に影響を与え細胞骨格分子の制御による細胞運動の亢進に影響を及ぼした(論文を発表した) ●NACC1の過剰発現は、悪性黒色腫の予後予測因子となり得た(論文を発表した)。 ●NACC1の過剰発現はがん遺伝子ERBB2の細胞膜での安定的誘導につながり、乳癌細胞のHerceptinに対する感受性に影響を与えた。 Project2 ●肝癌ではNACC1と相互作用するHDAC6の発現が肝内転移と相関し、肝細胞の運動能に影響を与える事が明らかとなった。また、この相互作用の阻害にはCYLDの遺伝子産物が有効である事が判明した。 Project3動 ●次世代シークエンサーによるNACC1下流遺伝子の網羅的解析を行い、Wnt signal伝達系に係わるCHD8の発現が制御されていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年の震災により、当初の研究計画から若干の遅れが生じた。そのため論文作成に必要なデータ収集・投稿の時期が3ヶ月ほど遅れたがその後の努力により概ね投稿は終了し成果公開の寸前まで事業は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、NACC1-HDAC6の阻害剤のスクリーニングに力を入れ、特許の申請を目指す方向で検討している。
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Research Products
(7 results)