2012 Fiscal Year Annual Research Report
免疫低下霊長類モデルを用いた新型インフルエンザに対する新規抗体治療法の開発
Project/Area Number |
22390076
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
伊藤 靖 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90324566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 一誠 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20169163)
伊藤 睦美 東京大学, 医科学研究所, 技術職員 (80573906)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / 抗体医薬 / 霊長類モデル / 免疫不全 |
Research Abstract |
シクロフォスファミドとシクロスポリンAをカニクイザルに投与し、末梢血白血球を減少させた。この免疫抑制状態で、H5N1亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスをカニクイザルの鼻腔、口腔、気管に感染させた。感染翌日発熱あるいは体温低下が見られ、治療を行わない場合は感染後3ないし4日後に全頭死亡した。一方、抗ヘムアグルチニン抗体を投与した場合は生存率8割であった。次に同様に免疫抑制剤を投与したサルにH5N1亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスを感染させた後、感染翌日から5日目までペラミビルを投与した。この条件下では3頭中2頭が重症化したため安楽死させた。さらに感染後にペラミビルと抗ヘムアグルチニン抗体を併用した場合には、3頭中2頭が生存した。気管及び気管支拭い液中のウイルス量はペラミビル単独治療よりペラミビルと抗ヘムアグルチニン抗体を併用した場合の方が低下していた。また、投薬終了後の感染7日目にはウイルスは検出されなかった。従って、免疫低下状態でもペラミビルと抗ヘムアグルチニン抗体の併用は抗体あるいはペラミビルの単独投与より有効であると考えられた。 前年度に行った実験において抗体投与終了後ウイルス量が再上昇することは耐性ウイルスの出現の可能性があるため、ヘムアグルチニンの他の部位に結合するモノクローナル抗体の作製を行った。ヘムアグルチニンの一部の配列と主要組織適合抗原複合体MHCクラスII分子結合配列のハイブリッドペプチドでマウスを免疫し、血清中にウイルス抗原と反応する抗体の存在を確認した。このマウスの脾臓及びリンパ節細胞を用いて、ハイブリドーマを作製した。このモノクローナル抗体はH1、H3、H5、H7亜型のウイルス抗原と反応することがELISAにより確認された。引き続き、ウイルス中和活性、in vivoでのウイルス複製の抑制能を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)