2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390086
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
川岸 郁朗 法政大学, 生命科学部, 教授 (80234037)
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Keywords | コレラ菌 / 海洋ビブリオ菌 / シグナル伝達 / 走化性 / べん毛 |
Research Abstract |
(1)コレラ菌Vibrio cholerae (a)誘引・忌避物質とその受容体(MLP)の同定および機能解析:ペリプラズム領域にPAS様ドメインを2つもつMlp24とMlp37,およびPAS様ドメインを1つだけもつMlp2とMlp3が,アミノ酸走性を媒介することを示した. (b)培養条件による受容体の発現・機能調節とその機構の解析:Mlp37の細胞内での存在量が培養温度によって変化することを見出した. (c)受容体のCheシステムへの帰属:44種のMLPが3組のCheシステムのうちどれに帰属するのかについて明らかにするため,各MLPと各システムの受容体メチル化酵素CheR1,CheR2,CheR3を共存させ,どの酵素でメチル化されるかを調べた.この方法で15種のMLPの帰属を推定できた. (d)Che蛋白質の局在解析:システムIIのChe蛋白質が常に極に局在しているのに対し,システムIとIIIのChe蛋白質は微好気的条件下でのみ極への局在が見られ,好気的条件では局在は(可逆的に)阻害されることを見出した. (2)海洋ビブリオ菌Vibrio alginolyticus (a)誘引・忌避物質とその受容体の同定および機能解析:コレラ菌Mlp24,Mlp37と相同性の高いMLP(MlpAと命名)がアミノ酸走性を媒介することを見出した. (b)培養条件による受容体の発現・機能・局在調節とその機構の解析:コレラ菌Mlp24に対する抗体を用いたウェスタンブロッティングにより,側毛が構成的に発現する固体表面で培養した場合と液体培養した場合,また固体表面で培養した場合でもコロニーの中心と周縁では検出されるMLPのパターンが異なることを見出した.
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