2012 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病の長期予後の解明を目的とした大規模コホート研究
Project/Area Number |
22390137
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
中村 好一 自治医科大学, 医学部, 教授 (50217915)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 川崎病 / 長期予後 / 死亡率 / 追跡研究 / 心後遺症 / 循環器疾患 |
Research Abstract |
【背景】川崎病罹患者の長期予後は明らかではない。【目的】心後遺症を持たない者も含めた川崎病既往者の追跡を行い、生命予後を明らかにする。【方法】第8回~第12回川崎病全国調査で52病院から報告された患者のうち、(1)確実例、(2)初発例、(3)14病日までの初診、(4)日本国籍の4条件を満たすすべての患者(6,576人)について、戸籍を用いて2009年末日までの生存状況を確認し、死亡が判明した場合には死亡診断書に基づく死因の解析を行った。死亡率の解析は性・年齢・暦年別に人口動態統計を用いて観察集団の期待死亡数を計算し、観察死亡数との比(O/E比=SMR)を用いた。【結果と考察】総観察人年は148,295人年で平均観察期間は22,6年であった。2009年末日の状況は生存が6,500人、死亡が46人(男35人、女11人)、不明(追跡脱落)が30人であった。死因は川崎病が11人、死亡診断書に川崎病の記載がない心疾患が2人、循環器系の先天異常が4人、悪性新生物が7人、その他の内因死が5人、外因死17人のうち不慮の事故と自殺が7人ずつ、他殺が2人、不慮の事故か自殺か判別がつかない者が1人であった。全体でのSMRは46/45.6=1.00であったが、心後遺症を持つ者の急性期以降のSMRは14/7.5=1.86で、男に限定すると13/5.7=2.27といずれも有意に高かった。心後遺症を持つ者に対する医学的な管理の徹底が望まれる。悪性新生物のSMRは7/5.0=1.41で、統計学的に有意ではなかった。外因死のSMRは17/25.1=0.68、自殺のSMRは7/9.5=0.73で、いずれも死亡数は多いものの死亡率の上昇は観察されなかった。【結論】心後遺症を持つ川崎病既往者では死亡率の上昇が観察されたが、持たない者では上昇していなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)