2010 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンリモデリングを介したABO式血液型遺伝子の発現調節機構の解明
Project/Area Number |
22390140
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小湊 慶彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30205512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 たみ子 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40008561)
佐野 利恵 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70455955)
浅尾 高行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40212469)
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Keywords | ABO式血液型遺伝子 / レポーターアッセイ / ヒストンデアセチラーゼ / エンハンサー |
Research Abstract |
ABO式血液型システムは、輸血・移植医療において重要であり、法医学においては個人識別マーカーとして利用されている。近年、ゲノムワイドにエンハンサーや他の調節領域を示すクロマチン修飾の解析がなされ、ABO遺伝子周辺にいくつかのエンハンサー領域が示唆された。今年度は、ABO式血液型遺伝子に関連するエンハンサー部位を検索する前段階としてABO遺伝子の下流域を調べ、この領域が転写にどのような影響を及ぼしているのかを解明した。 K562細胞のGenomic DNAを用いて、ABO遺伝子の3'領域約2,2kbを二つの領域に分けてPCR増幅し、クローニングベクターに挿入後、配列の決定を行い、得られたDNA鎖をABO遺伝子プロモーター領域を含むレポーターベクターに組み込み、レポータープラスミドベクターを作製した。これらのレポーターベクターを上皮系細胞であるヒト胃癌細胞KATOIII細胞、血球系細胞であるヒト慢性骨髄性白血病細胞K562細胞に遺伝子導入し、レポーターアッセイを行い、ABO遺伝子の下流域が遺伝子発現に及ぼす影響を調べた。 3'領域を組み込んだベクターを2種類の培養細胞に導入すると、ABO遺伝子のプロモーター活性が抑制された。また、この抑制作用は、ABO遺伝子転写開始点の上流域に存在する既知の転写抑制領域と相加的に働くことが判明した。さらに、ABO遺伝子下流域約2.2kbの中において、終止コドンの下流約1.2kbから約1.4kbの領域に強い抑制作用があり、この領域が主としてABOプロモーター活性の抑制に関与していた。この抑制作用はヒストンデアセチラーゼ阻害薬であるトリコスタチンAにより部分的に解除され、ヒストンデアセチラーゼが関与していることが示唆された。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] A case of fatal drug intoxication showing a high-density duodenal content by postmortem computed tomography.?2011
Author(s)
Sano R, Takahashi K, Kominato Y, Araki T, Yamamoto K, Takei H, Otake H, Awata S, Akuzawa H, Tago Y, Aoki H
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Journal Title
Leg Med (Tokyo).
Volume: 13
Pages: 39-40
Peer Reviewed
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[Journal Article] 低酸素による核酸分解酵素DNASEI遺伝子の転写調節2010
Author(s)
佐野利恵, 中島たみ子, 小湊慶彦, 加藤恵理子, 高士祐一, 新田みなみ, 山根庸弘, 藤原純子, 竹下治男, 植木美鈴, 安田年博
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Journal Title
DNA多型
Volume: 18
Pages: 278-282
Peer Reviewed
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