2013 Fiscal Year Annual Research Report
鍼はプラセボか?―世界初のダブルブラインド鍼を使って鍼の臨床効果とその機序に迫る
Project/Area Number |
22390147
|
Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
高倉 伸有 東京有明医療大学, 保健医療学部, 教授 (60563400)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢嶌 裕義 東京有明医療大学, 保健医療学部, 講師 (00563412)
高山 美歩 東京有明医療大学, 保健医療学部, 助教 (20563414)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 鍼 / プラセボ / ダブルブラインド / RCT / 肩こり |
Outline of Annual Research Achievements |
鍼は補完代替医療のうち最も広く知られている治療法のひとつであり、欧米医学雑誌でも、鍼治療の効果の科学的根拠を示す多数の臨床研究結果が取り上げられている。しかし、鍼師が鍼を刺入する際に生じる感覚はマスクできないと考えられてきたため、これまで鍼治療の効果は、患者のみをマスクするシングルブラインド法の臨床研究によって示されており、「鍼の効果はプラセボ効果である」という疑問を拭いきれなかった。この問題は、本研究で実施される、私たちが開発した鍼師と患者をマスクできるダブルブラインド鍼を用いた介入実験によって解決される。平成25年度も本研究の成果を得るにあたり、その基礎となるダブルブラインド鍼の有効性を示す研究成果を学会で発表した。 本研究は、肩こりを抱える被験者に対して、異なる3種類のダブルブラインド鍼治療または鍼治療なしの4グループの鍼治療の効果と、ダブルブラインド鍼のブラインド効果について評価する、ランダム化プラセボ対照比較試験(RCT)およびクロスオーバーランダム化比較試験による肩部の筋血流測定実験(レーザー組織酸素モニターによる鍼治療前中後の血流動態の評価)を行うものである。平成25年度の成果として、肩こりに対するRCTでは、その研究手順に関する論文をBMC Complementary and Alternative Medicineに投稿して受理された。論文投稿準備と並行して、データの処理・解析を進めた。また肩こりに対する鍼の効果に関する筋血流測定実験では、本研究で設定した各介入グループのべ80回(20名)の実験すべての実験を終え、データ処理を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、肩こりに対する鍼のRCTの研究手順に関する論文を海外の補完代替医療専門雑誌に投稿し、受理された。RCTによって得られたデータの整理・入力を終え、統計解析ソフトを購入して統計解析を開始した。また、肩こり患者を対象とした筋血流測定実験は、全80回の実験をすべて終了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の成果として、RCTおよび筋血流測定実験そのものは、すべてのデータを取り終え、データ入力作業を終えた。平成26年度はデータの統計解析を実施し、研究分担者、協力者とともに解析結果に基づくディスカッションを実施し、論文作成を進め、学会等で発表する。
|
Research Products
(4 results)