2010 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞選択的ナノDDS技術を基盤とする革新的治療的血管新生療法の創製
Project/Area Number |
22390160
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江頭 健輔 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (60260379)
|
Keywords | ナノテク / ドラッグデリバリーシステム / 治療的血管新生 |
Research Abstract |
1.生体吸収性ポリマーPLGAナノ粒子の製造:水中エマルジョン溶媒拡散法を用いて生体吸収性高分子ポリマー(PLGA)製ナノ粒子を作製した。蛍光マーカー(FITC)、あるいは、ピタバスタチンを封入した、平均粒径200nmのPLGAナノ粒子を作製できた。 2.蛍光マーカーFITC (fluorescein isothiocyanate)封入ナノ粒子の内皮駟胸への選択的導入 ・In vitro試験:ヒト血管内皮細胞(HUVEC)にFITCナノ粒子を添加して1時間後、ナノ粒子が効率的に導入されることを確認した(導入効率=99-100%)。導入細胞を継続して培養した結果、FITC陽性細胞が3日後、7日後にも観察された。このことは、ナノ粒子がヒト血管内皮細胞に取り込まれ安定して長期間停留することを示唆する。 ・細胞内導入効率を血管内皮細胞と骨格筋筋肉細胞間で比較し、血管内皮細胞選択的導入を明らかにした。即ち、本ナノ粒子の血管内皮細胞選択的DDSの分子細胞機序にエンドサイトーシスが関与することを明らかにした。 3.マウスモデル実験 マウス片側下肢虚血モデルを作製し、対照(PBS投与)群、FITC封入ナノ粒子投与群(0.18mg/100μLPLGA)、ピタバスタチン単独投与群(0.01mg/100μL, 0.4mg/kg)、ピタバスタチン封入ナノ粒子投与群(0.18mg/100μL, 0.01mgのピタバスタチン含有PLGA)の4群に分け、それぞれの群でマウス下肢虚血モデルを作製時に下肢の4カ所に筋肉内注射を施し、3,7、14日後に組織血流量を測定した。 内皮一酸化窒素(NO)合成の関与を明らかにするために、NO合成酵素阻害剤であるL-NAMEの効果やeNOS遺伝子欠損マウスを用いた。その結果、ピタバスタチン封入ナノ粒子治療による治療的血管新生の分子機序にeNOS発現増強、血管増殖因子発現増強、が必須であることが明らかになった。
|
Research Products
(9 results)