2010 Fiscal Year Annual Research Report
RA系非依存的な糖尿病性腎症の発症予測バイオマーカーと分子標的治療法の開発
Project/Area Number |
22390169
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土井 俊夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60183498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 秀斉 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60399342)
長井 幸二郎 徳島大学, 病院, 講師 (40542048)
冨永 辰也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80425446)
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Keywords | 糖尿病性腎症 / Smad1 / BMP / バイオマーカー / ALK3/6 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
(1)糖尿病においてTGFβがSmad1制御分子として調節を担っているが、BMP2およびBMP4がより強力な活性化分子として発現を制御している。BMP2/4の糖尿病性腎症発症に果たす役割を明らかにするために、培養メサンギウム細胞において、TGFβ、BMP2/4による刺激を加えると、いずれも、Smad1のリン酸化が容量依存性に進行し、核内への転送が促進された。さらに、AGEsを用いて、Smad1発現誘導・活性化機構を検討し、TGFβ-ALK1-Smad1およびBMP2/4-ALK3/6-Smad1の両経路が活性化していることが確認された。糸球体硬化の進行過程におけるSmad1活性化機構が明らかとなった。(2)STZ誘導糖尿病マウスを作製し、糸球体病変を惹起させた。また、より進行した硬化病変を有するiNOSトランスジェニックマウスも用いて、Smad1およびTGFβ、BMP2/4とその受容体などのSmad1制御分子の発現が、mRNA・タンパク質レベル発現、免疫組織学的解析により、病期の早期から亢進していくことを確認した。また、Smad1遺伝子過剰発現マウスを作製し、糖尿病を誘導し、従来のモデルよりも、よりヒト腎症の変化に近似しているごとを病理組織学的解析により明らかにした。(3)正常の発生における異常を避けるため、BMP2/4のタモキシフェン誘導型調節発現マウスの作成を行った。BMP2/4により発現誘導・活性化されるSmad1の腎での動態を確認した。それと同時に、Smad1の下流にある硬化関連分子群の発現の増強と病理学的な糸球体硬化病変の相関を解析したところ、BMP4によって、著明に病変形成が進行することが明らかとなった。(4)尿中BMP2/4が尿中Smad1の出現に先行して、糖尿病マウスにおいても尿中に検出できた。測定感度の低さを解決するために、βガラクトシダーゼを用いた高感度化を行った。
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Research Products
(2 results)