2012 Fiscal Year Annual Research Report
RA系非依存的な糖尿病性腎症の発症予測バイオマーカーと分子標的治療法の開発
Project/Area Number |
22390169
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
土井 俊夫 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60183498)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 秀斉 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60399342)
長井 幸二郎 徳島大学, 大学病院, 講師 (40542048)
美馬 晶 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00432401)
冨永 辰也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80425446)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | BMP4 |
Research Abstract |
糖尿病性腎症の分子病態に基づいた発症と分子標的治療法の開発における基礎研究を行った。腎症に特異的なメサンギウム基質増生は転写因子Smad1により制御されていることを見いだしたが、本研究ではSmad1の活性化に関わるこれら分子群に着目し、(1)糸球体硬化の進行過程におけるBMP2/4によるSmad1活性化機構の解析を行い、BMP4がSmad1の活性化を直接制御し、腎糸球体病変形成を惹起することを明らかにした。(2) iNOSを膵β細胞に発現させたトランスジェニックマウス(糖尿病性腎症モデルマウス)での検討ではメサンギウム基質増生に一致してBMP4とリン酸化Smad1の発現を認めた。(3) BMP4のコンディショナルトランスジェニックマウスを用いた組織学的な病態解析では、タモキシフェン誘導後5日でBMP4の発現と伴い典型的な糸球体硬化症を認めた。これらマウスの糸球体硬化症の重症度とアルブミン尿は相関を認めた。(4)糖尿病性腎症のBMP4の役割を解明するためBMP4ノックアウトマウスを解析した。BMP4(+/-)ではコントロールに比較しストレプトゾシン(STZ)誘導によるメサンギウム病変は改善していた。リン酸化Smad1の発現も低下していた。(5)iNOSトランスジェニックマウスにおいて、尿中BMP4排泄は糸球体硬化症と有意の相関を認めた。(6)糖尿病性腎症の糸球体組織病変形成に対するBMP4/Smad1系の抑制効果があるか検討するため、STZで誘導した糖尿病モデルマウスにBMP4の中和抗体を投与した。その結果、著明な組織病変の改善とリン酸化Smad1の発現低下を認めた。本研究では糖尿病による糸球体硬化病変の形成過程の分子病態を解明し、有効な抑止策がないまま増加し続けている糖尿病性腎症の発症予測・治療効果判定の確立と本症に特異的な分子を標的とした治療法の開発を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(10 results)