2011 Fiscal Year Annual Research Report
Atg5依存性オートファジーによる表皮角化細胞の自然免疫機構の解明
Project/Area Number |
22390218
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
佐山 浩二 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80187286)
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Keywords | 角化細胞 / オートファジー / ノックアウトマウス / Atg5 / 分化 / LC / K5-Cre |
Research Abstract |
平成22年度に引き続いて表皮角化細胞特異的なAtg5ノックアウトマウスを作成した。Atg5^<flox/flox>マウスとK5プロモーターで発現するK5-Creマウスを交配することにより、K5-Cre/Atg5^<flox/+>マウスを得た。このマウスを再度海Atg5^<flox/flox>マウスと交配することによりK5-Cre/Atg5^<flox/flox>マウスを作成した。まず、作成したHEによる病理組織標本を観察した。顆粒層の消失も予想されたが、HE染色による明ちかな分化異常は確認できなかった。ついで、パラフィン切片を分化マーカーであるKeratin 1,Keratin 10,Keratin 5,keratin 14,Loricrinで免疫組織染色したが、明らかな分化マーカーの発現異常は認められなかった。細菌刺激によるオートファジーの誘導を検討した。黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌株それぞれ、3株を65度40分熱処理し不活化後、培養のヒト角化細胞に添加し、タンパクの発現はWestern blot法、mRNA発現はRT-PCR法にて検討した。その結果サイトカイン発現増強は認められたものの、明かなLC3-IIの発現増強は認められなかった。ついで、TLR-2,TLR-4のリガンドであるペプチドグリカン、LPSで角化細胞を刺激し、Western blot法にて検討した。刺激により、LC3-IIの発現増強が認められた。さらにオートファゴゾームの形成確認にはLC-GFPを用いた。Lenti virus vectorを用いて、角化細胞にLC-GFPをトランスフェクト後、ペプチドグリカン、LPSで角化細胞を刺激すると、蛍光顕微鏡下でオートファゴゾームの形成が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定で、I.ノックアウトマウスの解析II.オートファジーを促進する因子の検討を予定していたが、概ねこれらの目標は達成できた。細かい項目に関しては、不十分な点もあるが、あらたな項目も検討しており、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策については以下の3点を中心に行う予定である。 I.オートファジーの阻害による、免疫応答の減弱。病原体に対する免疫反応がオートファジーを阻害すると抑制されるかどうか検討する。 II.Type I-IFNの産生促進。オートファジーを阻害するとtype I-IFN産生が増強するかどうか検討する。 III.マウスにおける易感染性。病原体に対する免疫反応をマウスおよび生菌を用いて検討する。
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Research Products
(3 results)