2012 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型血管新生療法の開発を目的とした側副血行路発達メカニズムの分子病理的検討
Project/Area Number |
22390245
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70190791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 博之 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10241994)
重松 邦広 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20215966)
岡本 宏之 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (60348266)
保科 克行 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90571761)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 側副血行路 / 血管新生療法 / ラビット虚血肢モデル / 塩基性線維芽細胞増殖因子 |
Research Abstract |
H23年度までの研究により、虚血肢において効果的に側副血行路を発達させるにはarteriogenesis誘導物質を、側副血行路の発達が見込まれる動脈系周囲に選択的にデリバリーすることが必要であるとの仮説を得ることができた。H24年度では、これを実証するためにラビット虚血肢モデルを用いて以下の実験を実施した。 1. 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の選択的デリバリー実験 大腿動脈を全切除するラッビト虚血肢モデルでは、側副血行路は同側内腸骨動脈の枝である後臀動脈より発達し、この後臀動脈は尾骨大腿筋内に分布している。そのためラビット虚血肢モデルに対して、arteriogenesis誘導因子であるbFGF(100μg)を尾骨大腿筋に選択的に筋注する群(B-FGF群)と、隣接する大内転筋に同様に筋注する群(D-FGF群)を作成した。筋注後28日目での評価では、下腿血圧比、血管造影スコア、内腸骨動脈血流量のすべてにおいてB-FGF群はD-FGF群と比べ有意な改善を得た。また筋注後3日目の尾骨大腿筋の検討により、筋内におけるFGFレセプターの発現量及びリン酸化と、MCP-1陽性血管密度、Ki-67陽性血管密度において、B-FGF群はD-FGF群と比べ明らかに増加・増強していることが示された。 2. 様々な血管新生因子を放出する骨髄単核球の選択的デリバリー実験 虚血肢モデルを作成したラビットの腸骨より骨髄単核球を採取して、尾骨大腿筋に選択的に筋注する群(B-MN群)と大内転筋に筋注する群(D-MN群)を作成した。筋注後28日目の下腿血圧比、血管造影スコア、内腸骨動脈血流量の検討に加え、筋注後3日目の尾骨大腿筋の検討でも、bFGFデリバリー実験とほぼ同様の結果を得た。 以上の二実験により、効果的に側副血行路を発達させるには、治療物質のデリバリーターゲットの選択が重要であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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