2010 Fiscal Year Annual Research Report
高純度硬化性ゲルを用いた無細胞移植軟骨再生治療法の開発
Project/Area Number |
22390285
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩崎 倫政 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (30322803)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船越 忠直 北海道大学, 病院, 講師 (10528334)
三浪 明男 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20133738)
金城 政孝 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究科, 教授 (70177971)
笠原 靖彦 北海道大学, 病院, 助教 (00581927)
藤崎 和弘 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (90435678)
|
Keywords | 軟骨再生 / SDF-1 / 無細胞治療 / ウサギ / 骨髄間葉系細胞 |
Research Abstract |
22年度の研究目的は、1)SDF-1添加高純度硬化性ゲル内での骨髄間葉系幹細胞(以下、BMSC)の増殖、分化に関する評価、2)ウサギ膝関節での骨軟骨欠損に対するSDF-1投与の治療効果を判定することである。1)に関しては、SDF-1添加高純度硬化性ゲルにBMSCを包埋し培養することにより軟骨細胞への分化誘導は可能であった。SDF-1を添加しない群との比較においては、増殖性および軟骨細胞への分化能において有意差は認めなかった。2)に関しては、無治療群、高純度硬化性ゲル単独移植群、SDF-1添加高純度硬化性ゲル移植群の3群を設定し、移植後12週の時点で組織学的、免疫組織化学的評価を行った。12週の時点では濃度依存性にSDF-1添加高純度硬化性ゲル移植群でType IIコラーゲン優位の硝子様軟骨組織による修復が認められた。これらの結果より、SDF-1には、BMSCの増殖性や軟骨細胞への分化を直接促進する作用はない(しかし、それらを阻害するものでもない)ことが証明された、しかし、ウサギ生体内への投与実験ではSDF-1投与により良好な軟骨組織再生が獲得可能であることより、SDF-1投与により骨軟骨損傷部周囲のBMSCを損傷部に遊走集積させることで軟骨修復が促進されることが示唆された。H23年度は、ウサギを用いた治療効果判定をさらに詳細に行い、より長期での治療効果を確認する。さらに、SDF-1による局所BMSCの損傷部への集積程度を定量評価し、局所でのSDF-1タンパクの経時的発現評価、BMSCのSDF-1 receptorブロックによる軟骨修復に対する効果判定などを行い、SDF-1投与による治療効果メカニズムを解明する予定である。
|
Research Products
(8 results)