2012 Fiscal Year Annual Research Report
多能性幹細胞由来スキャフォールドフリー三次元人工組織による骨軟骨再生
Project/Area Number |
22390291
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 憲正 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 招聘教授 (50273719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名井 陽 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (10263261)
藤江 裕道 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (20199300)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30344451)
寺村 岳士 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (40460901)
福田 寛二 近畿大学, 医学部, 教授 (50201744)
吉川 秀樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60191558)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ES cell / iPS cell / Stem cell / scaffold / 軟骨分化 / 骨分化 |
Research Abstract |
前年度まで確立した技術である、ウサギ胚性幹細胞(rabbit ESC)より分化させた間葉系幹細胞(MSC)を用いて3次元人工組織(Tissue Engineered Construct, TEC)を作製する技術を用いて、本年度はin vitro分化誘導の最適化およびiPS細胞由来MSCからのTEC(iPS-TEC)の作製技術の開発と並行して、このTECをβ-TCP人工骨を複合体化する技術を開発し、さらにin vivo動物実験としてウサギ膝関節骨軟骨欠損へのTEC/β-TCP複合体移植を行った。 アスコルビン酸-2リン酸、ITSを含んだD-MEM培地を基礎培地とした場合、各種のサイトカインで比較すると、従来型の滑膜MSC由来のTECではTGF-βで最も高い軟骨分化傾向を示したのに対して、本研究で開発されたES細胞由来MSCから作成したTEC(ES-TEC)はrhBMP2が最も良い軟骨分化を示した。さらにiPS細胞由来のMSCから、ES-TECにおける作製条件を参考にiPS-TECを作製した。 骨軟骨欠損部への治療としてはTEC/β-TCP複合体の移植が骨軟骨再生に極めて有用である(Shimomura, ORS2012)であるため、本研究ではES-TEC/β-TCP複合体を作製した。in vivo実験として、骨軟骨欠損モデルとしてウサギ膝関節内、大腿骨滑車部に直径6mm、深さ5mmの円柱状骨軟骨欠損を作成し、同サイズのES-TEC/β-TCPをpress fitにて移植した。4週後に修復組織を採取した。対照群に従来技術である滑膜MSC由来TEC(Sy-TEC)を設定し、片側膝にES-TEC、対側にSy-TECを使用した。ES-TECでは4週時点ではSy-TECは大部分の線維性組織にわずかに線維軟骨組織を認めるだけであったが、ES-TECでは硝子軟骨様組織で修復されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年度に入る前にES-TECの動物実験を実施し、iPS-TECも準備段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究実施計画に従い、ES-TECのウサギ動物実験の結果を解析を進め、ES-TECの生体移植後の再生軟骨を確認する。同時にiPSC-TECとβTCPの複合体の作製技術と、生体移植実験を行い、軟骨再生能を評価する。
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Research Products
(8 results)