2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜透過性ペプチドを用いたがん性疼痛治療薬の開発
Project/Area Number |
22390297
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
廣瀬 宗孝 福井大学, 医学部, 准教授 (50275228)
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Keywords | がん性疼痛 / 細胞膜透過性ペプチド / 神経成長因子 / 腫瘍増殖 / TrkA / メラノーマ |
Research Abstract |
神経成長因子(NGF)の高親和性受容体TrkAは、チロシンキナーゼ活性を有する/。TrkA活性は侵害受容性疼痛や神経障害性疼痛の発症に関与し、またTrkAをもつ悪性腫瘍細胞の増殖に関与することが知られていることから、TrkA活性抑制薬は、がんによる痛みと腫瘍増殖を抑制する新しいがん性疼痛治療薬となる可能性がある。 研究代表者によるこれまでの研究では、細胞膜透過性ペプチドのIPTRK3を開発し、動物実験で鎮痛効果を持つことを明らかにしてきた。今回の研究では、IPTRK3のアミノ酸配列を一部改変した新しいペプチド(IPTRK4とIPTRK5)を作成し、リコンビナントTrkAを用いたキナーゼアッセイと、マウス悪性黒色腫細胞株(B16-F1細胞)におけるこれらのペプチドの増殖抑制効果を検討した。 キナーゼアッセイでは、IPTRK3は100μMで有意にTrkA活性を抑止したが、IPTRK4とIPTRK5は、より低濃度の1μMで有意に活性を抑制した。 FITCでラベルしたこれらのベプチドを用いて、B16-F1細胞における細胞膜透過性を確認し、またTrkA抗体を持いて、B16-F1細胞におけるTrkAの存在を確認した。その後、NGF刺激による細胞増殖とTrkAチロシンリン酸化に対するこれらのペプチドの効果を検討したところ、IPIRK5が最も強く抑制することが明らかとなった。IPTRK5は今回の実験濃度(1,10,100μM)では細胞毒性を示さず、100μMでアポトーシスを来すことが明らかとなった。 以上のことから、平成23年度以降の、担がん動物を用いたがん性痛抑制作用と腫瘍増殖抑制作用を調査する実験において、IPTRK5は、新規がん性痛治療薬の有力な候補となりうることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)