2011 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌に対するテーラーメイド癌ワクチン療法の開発
Project/Area Number |
22390305
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 高文 近畿大学, 医学部, 助教 (70340809)
デベラスコ マルコ 近畿大学, 医学部, 助教 (20449838)
原田 守 島根大学, 医学部, 教授 (50260716)
吉村 一宏 近畿大学, 医学部, 准教授 (20283757)
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Keywords | 腎細胞癌 / ペプチドワクチン / 免疫療法 |
Research Abstract |
23年度は健康成人および腎細胞癌担癌患者から採取した抹消つンパ球を用いて、22年度に作成した5種類の抗原蛋白に対するMHCクラスIペプチド44種類のワクチン候補ペプチドを絞り込むための、CTLスクリーニングアッセイ(IFN-γ releasing assay)を、近畿大学医学部と共同研究施設である島根大学医学部免疫学教室で同じアッセイ系を用いて同時に行った。現在のところ、CA9、VEGFR、HIF-1の3種類についてある程度の絞り込みを行ったが、PDL、EPORについては、反応性が高く再度アッセイ系の見直しを行っている。おそらくEPORについては、正常細胞にも広く発現しており、腎癌特異性が乏しい場合には異なる分子としてCTLA4やIGFRを再度スクリーニングする必要性が示唆された。このことから新たなペプチドを合成し、スクリーニングを開始した。 また、患者サンプルに同抗原の各ペプチドな対する反応性のばらつきがみられたことから、当初予定していた各抗原から1種類のみのペプチド選択は、効果の面で妥当ではない可能性も示唆された。それゆえ、マルチペプシドワクチンの概念から、6-10種類のペプチドを同時に混和したものを最終的に調整すべきではないかと思われた。また、どのコンビネーションのペプチドがワクチンとして最も有用であるかについては、多くの日本人由来の腎細胞癌培養細胞株が必要と思われ、本邦で確立された腎癌細胞株6種類を、各大学(京都大、大阪大、大分大、慶応大、香川大)の協力のもと提供していただき、各細胞株の抗原発現などの特徴についてスクリーニングしたうえで、CTL検査の標的細胞として使用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腎細胞癌、担癌患者より約30mlの採血をお願いして、患者リンパ球を用いたCTLアッセイを行っているため、頻回に血液サンプルを得られるわけでなく、患者血液サンプルの取得に苦慮している。
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Strategy for Future Research Activity |
最も重要なポイントは、CTLアッセイ用の血液サンプルを患者より効率的に提供いただくことであり、より多くの腎癌患者にお願いすることで鋭意努力する。
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Research Products
(4 results)