2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体反応関連分子の遺伝子多型解析に基づく個別化治療確立に関する研究
Project/Area Number |
22390335
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
織田 成人 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90204205)
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Keywords | 生体反応 / 遺伝子多型 / DNAアレイ / 表現型 / 個別化治療 |
Research Abstract |
近年、感染や外傷、熱傷などの侵襲に対する生体反応は、免疫-炎症反応に関連する各種分子の遺伝子多型によって左右されることが報告されている。この生体反応の個人差は、続発する臓器障害の発症頻度や転帰に大きく影響することが明らかになっている。また、これら遺伝子多型の頻度は人種差が大きく、欧米人と日本人では各種の治療に対する反応性の差となって現れる可能性がある。本研究では、これら遺伝子多型に関する情報をさらに多くの個体を対象として集積するとともに、転帰や治療経過との関連を研究することで、日本人独自の重症救急患者に対する個別化治療を確立することを目的としている。本研究では、これまでの自施設での研究を基盤に、多施設共同研究でより多くの固体の遺伝子情報と臨床情報を収集する。目標症例数は1000例とし、全国8つの施設でインフォームド・コンセントを得た上で検体採取と臨床データ収集を行う。また、ハイリスクと診断された症例のサイトカインプロファイルを、非ハイリスク患者と比較検討する。さらにハイリスク患者から採取した全血をエンドトキシン(LPS)で刺激し、血中サイトカインプロファイル、TLR発現、MIF、プロテインC濃度等を検討し表現型の違いを明らかにし、これらの反応を制御するための治療法の確立を図る。本年度は、協力を依頼した8施設のうち7施設において倫理審査の承認が得られ、検体採取とデータ収集が開始され、360症例が登録された。これら検体において我々が共同開発した高感度遺伝子検出バイオチップ(DNAアレイ)を用いて、サイトカイン、自然免疫、凝固系に関連した15種類の遺伝子多型を解析した。
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Research Products
(2 results)