2011 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄細胞の分化におけるシグナルネットワークの新しいパラダイムの構築と臨床への展望
Project/Area Number |
22390357
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川島 伸之 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60272605)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝部 憲一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20233760)
坂本 啓 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00302886)
|
Keywords | 歯髄細胞 / 象牙芽細胞 / 細胞分化 / 転写調節因子 / 分化制御 / 分化誘導 |
Research Abstract |
歯科保存学において、MI(Minimum Intervention)の概念が定着しつつある現状であるが、こと歯内療法においては、炎症の進行した歯髄組織は除去せざるを得ない。歯髄の再生分化を誘導することは、歯の長期保存の観点からも重要である。申請者らはこれまでに、Notchシグナルが歯髄細胞分化に重要であることを明らかにしてきた。さらに、Notchシグナルの下流に存在する様々な因子(Sp7など)がいくつか明らかになった。今回これらのシグナルを統合的に解析し、その結果をもとに、歯髄再生を図るのが本研究の目的である。 筋肉を形成する筋芽細胞分化におけるマスター遺伝子と言われているMADS-box型転写調節因子のMef2cであるが、Mef2cが象牙芽細胞に強く発現していることが明らかになった。また、Mef2cを歯髄細胞に強制発現すると、象牙芽細胞マーカーの発現が増加し、逆に発現を抑制すると、分化傾向が抑制された。以上より、Mef2cが歯髄細胞の象牙芽細胞への分化を強く制御している可能性が示唆された。また、骨芽細胞分化におけるマスター遺伝子であり Sp/KLFファミリーに属するSp7の象牙芽細胞における局在を確認し、Sp7も象牙芽細胞分化を正の方向へ制御していることが明らかになった。これらの因子を調整しているその上流の因子、および分化を負の方向に制御している因子について今後さらに追及を進める。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
象牙芽細胞分化誘導に関連する転写調節因子についての解析が順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
転写調節因子の上流および分化制御にかかわり因子についての解析を進める。
|
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Mineralization of Odonotoblastic-Lineage Cells Was Accelerated by Enhanced Expression of Mef2c2011
Author(s)
N Kawashima, J Xu, N Suzuki, M Zhou, K Takimoto, Y Koizumi, M Yamamoto, S Takahashi, T Sugiyama, H Suda
Organizer
Scientific Meeting of the European Society of Endodontics
Place of Presentation
Rome, Italy
Year and Date
20110915-20110917
-
-