2010 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーの薬学的操作による口腔粘膜前駆/幹細胞の抗老化・維持システムの確立
Project/Area Number |
22390371
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80242436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
寺田 典子 新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (60374550)
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Keywords | オートファジー / mTOR / ラパマイシン / 口腔粘膜上皮 / 前駆/幹細胞 / ウェスタンブロッティング |
Research Abstract |
口腔粘膜前駆/幹細胞では厳密なオートファジー(自食作用)制御がなされることで、長期自己複製・再生能が維持されるという仮説を立て、rapamycinによる培養細胞の長期生存と正常な分化誘導効果が、オートファジーという生理機能に起因することを分子レベルで解明し、またin vivoと培養細胞で、分化度に応じて上皮細胞が本来有している"定常的"オートファジーレベルを解析・比較することを基本的な当該年度の目的として設定した。具体的には、定常的オートファジーレベルの解析に加え、口腔粘膜上皮細胞の分化度とオートファジーとの関連、さらには薬学的手法によるオートファジーレベルの変化を検討し、基本的なオートファジーの動態を把握する計画にしていた。まず、通常の培養条件で観察されるヒトの初代培養口腔粘膜上皮細胞のオートファジーレベルは高いことが明らかになった。ただ、細胞サイズによるオートファジーレベルの相違は明らかにすることは、テクニカルな問題によりできなかった。また、強制的に分化させていった場合にはそのレベルは2-4日後に一旦低下するが、その後7-8日目を過ぎると増加に転じ、分化させる前のレベルに近づくことがわかった。さらに、薬学的にオートファジーを操作した場合では、薬物に反応するものの、反応所要時間は日の単位による変化を示すことがわかった。また、いわゆるオートファジーフラックス(速度)については、特異的な薬物により確認できたが、その増減の程度は他のセルライン化した細胞で示されているほど顕著な変化を示さなかった。以上のことは、口腔粘膜上皮はオートファジーに関し急速な変化を示さない細胞であることを明らかにした。
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