2011 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺組織幹細胞の分離・培養・保存法の確立と細胞移植による組織再生
Project/Area Number |
22390381
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
各務 秀明 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (80242866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住田 吉慶 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50456654)
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Keywords | 口腔外科学一般 / 唾液腺 |
Research Abstract |
頭頚部癌に対する放射線照射により唾液腺は萎縮し、口腔乾燥が引き起こされる。患者は、口腔乾燥により咀嚼、嚥下、会話の障害のみでなく、う触や歯周疾患の多発などの症状に苦しめられるため、患者の生活の質(QOL)は著しく低下する。しかしながら、今日まで、唾液腺の萎縮に対して満足できる標準的な治療法はない。本研究の最終的な目標は、唾液腺幹細胞移植による唾液腺機能障害の新たな治療法の開発である。初めに、マウス唾液腺への放射線照射により、唾液腺萎縮モデルを作成した。細胞治療の臨床応用には、細胞の培養が大きなハードルとなる。今回細胞培養を行うことなく使用可能な骨髄単核旧細胞に着目した。骨髄単核球細胞を密度勾配遠心法にて分取し、萎縮唾液腺への細胞移植を行った。単核球細胞は、これまで報告されている培養唾液腺上皮細胞、および骨髄間葉系幹細胞同様に唾液量の回復に作用することが示された。次に、細胞移植による唾液腺機能回復のメカニズムを明らかにするために、in vitroにおける唾液腺萎縮モデルを作製した。平面培養された唾液腺上皮細胞に対して、20-60Gyの照射を行った。ぞれぞれにおいて細胞増殖は抑制されたが、60Gyでは細胞増殖が完全に停止した。また、60Gy照射後に腺房マーカーとしてAQP-5、導管マーカーとしてZo-の遺伝子発現を検討した。20Gy以上の照射にて有意に遺伝子発現は減少したが、特にZO-1と比較して、AQP-5の遺伝子発現の減少が著明であった。さらに、セルカルチャーインサートを用いてこの培養唾液腺上皮細胞と骨髄単核球分画とを共培養し、それぞれの細胞が生存可能であることが明らかとなった。以上から、in vitroにおける萎縮唾液腺モデルとして本モデルが使用可能と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の異動により新たな施設での実験を立ち上げる期間が必要となり、本研究費の一部を繰越とした。異動後は順調に実験は経過し、in vitroにおける唾液腺萎縮モデル(放射線照射)を確立することが可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究期間中にin vitro唾液腺萎縮モデルが確立されたため、このモデルを用いて、実際に細胞移植が唾液腺機能回復に作用するメカニズムを解明することが可能となった。当初の目的は移植細胞そのものが唾液腺細胞に作用するかどうかを証明することである。In vivoでは様々な細胞が共存するため、移植される細胞と唾液腺細胞との直接の相互関係を見る実験は困難であった。次に移植細胞は細胞の増殖、機能のいずれに作用するかを確認することが必要である。最後に細胞の治療効果には接触が必要であるかどうか、また、どのようなメカニズムを介しているかを解明していくことが今後の課題となる。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Effect of GDF-5 and BMP-2 on the expression of tendo/ligamentogenesis-related markers in human PDL-derived cells.2012
Author(s)
Inoue M, Ebisawa K, Itaya T, Sugito T, Yamawaki-Ogata A, Sumita Y, Wadagaki R, Narita Y, Agata H, Kagami H, Ueda M.
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Journal Title
Oral Dis
Volume: 18
Pages: 206-212
DOI
Peer Reviewed
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