2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390409
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
折山 早苗 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (20457203)
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Keywords | 看護師 / 16時間夜勤 / 休息 / 仮眠 / 疲労 |
Research Abstract |
本研究は、看護師の二交代制勤務の夜勤に合わせた疲労回復、眠気軽減、パフォーマンス水準維持に有効な仮眠のとり方を明らかにすることを目的とする。H22年度は、最初のステップとして、二交代制勤務を採用している病院において、看護師の休憩のとり方や勤務中の仮眠のとり方、眠気および疲労の有無について自記式質問紙調査を実施し、仮眠開始時刻および仮眠時間、疲労と眠気について実態を把握した。調査協力が得られた病院は7病院、839人の看護師から回答を得た。その内、16時間夜勤の病院は6病院で699人であった。16時間夜勤に従事する看護師の80%以上が夜勤中・後に負担を感じていた。また、44.1%が勤務前に平均110.9(SD53.7)分間の仮眠をとっていた。夜勤中に仮眠が取得できたのは88.9%で、平均仮眠時間は97.5(SD37.2)分間であった。仮眠をとった看護師の40.5%が「よく眠れた」あるいは「眠れた」と実感していた。仮眠をとった看護師の平均休憩時間は140.42(SD43.20)分間、とらなかった看護師の平均休憩時間は96.67(SD60.68)分間で休憩時間に差を認めた。また、夜勤中の仮眠の睡眠感に影響する因子は、睡眠時間、仮眠取得の困難感の2点であり、100分間以上の睡眠時間ならびに仮眠が取得しやすい環境が睡眠感を良くする因子であることが明らかとなった。すなわち、勤務中に仮眠をとる場合には、仮眠時間を100分間以上とし、そのために、仮眠が十分とれる休憩時間、環境が必要であることが明らかとなった。勤務後の昼間睡眠については93.3%が取得し、平均睡眠時間は240.3(SD93.7)分間であり、「よく眠れた」あるいは「眠れた」と実感した看護師は、86.4%であった。昼間睡眠は、夜勤中の仮眠より睡眠時間も長く、睡眠感も良かった。今回得られた結果を基に、眠気および疲労の低減効果を期待できる休息方法を現在開発中である。
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