2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝医療の質向上を目指した遺伝サポートグループと看護者との協働方略の構築
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22390431
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中込 さと子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10254484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 祐子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (80164903)
柊中 智恵子 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 准教授 (60274726)
佐々木 規子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90315268)
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Keywords | 遺伝看護 / サポートグループ / 遺伝カウンセリング / 家族 / 染色体異常 / 出生前診断 / 遺伝性神経難病 / 先天代謝異常 |
Research Abstract |
本年度は、各遺伝サポートグループが抱える課題を出し合った。まず6月の第10回国際家族看護学会(京都)にて遺伝看護と家族看護の協調をテーマにオープンシンポジウムをサポートグループと当研究班で企画し開催した。参加グループと発言内容は以下のとおりである。 日本マルファン協会(適切な遺伝カウンセリングについての提言)、表皮水疱症友の会(稀少疾患の特性へのケアについての提言)、プロピオン酸血症とメチルマロン酸血症患者の会(発症前診断に関する課題を発言したい)、出生前診断の告知の在り方と自己決定の支援について考える'泣いて笑って'(出生前診断に関する課題を発言したい) 次に、遺伝サポートグループの活動の実情を広く話し合うためにフォーラムを企画した。その場で質問紙、フィールド調査を行った。以下に関連グループと各遺伝サポートグループが抱える課題を挙げた。 日本ダウン症協会(担当:中込、佐々木、連携研究者山梨大学大学院医学工学総合教育部石橋みちる)は告知時の親へのケア上の問題。日本ハンチントン病ネットワーク(柊中、中込、連携研究者聖路加看護大学大学院須坂洋子)は家族への告知と遺伝カウンセリング・本人の社会的つながりの確保とピアサポートの支援。表皮水疱症友の会(中込、柊中、佐々木、連携研究者山梨大学大学院医学工学総合教育部坂本実里)は、新生児期から成長の変化に伴う皮膚ケアの工夫の集積を行う。日本PWS協会(中込)、診療と治療ガイドラインに基づくケアの発展。ケアギバーの連携、PWS専門の施設をつくること。さらにハーモニーライフ・ハーモニーライン(家族性大腸ポリポーシス患者の会)(武田)は家族性腫瘍としての大腸癌患者家族のGenetic conditionに関する情報共有について。以上、今後の活動のフォーカスを定めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝サポートグループと当研究班が協力し合って活動を開始することができた。 平成24年度からは各グループのリーダーや患者家族への調査を開始し、適宜フォーラムを開き、調査結果を患者会に直接還元していくことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階で本研究を推進するうえで、研究の方向性を修正する必要性はない。 本研究で協働した遺伝サポートグループに関わる疾患は、患者自身が入院して治療を長く受けているものではない。さらに遺伝の問題も直接ケアを生活に則して創意工夫すること自体も、患者家族は医療者との関わり方を知らない状況も多い。 看護者によるグループ支援が本当にどこまで可能なのか、行動についても先に分析したほうがよいだろう、適材適所にケアが介入されるよう、また新しい社会づくりに寄与できるようにとっての当該問題の分析1つ1つでも多くの医療機関外の社会生活の中で営まれている。
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Research Products
(6 results)